ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語57

国道二号線建設之碑
(姫路市本町)

2022/06/21
1932年の国道2号線の改修に際して姫路城の中堀が埋め立てられたときに建てられた碑
 姫路の街の中心部を東西に貫く東行き一方通行の国道2号線は、姫路城近くで北側に立派な石垣が続く。この石垣は、昔ここに中堀があったことを示している。
 その中堀を埋め立てて国道2号線を建設した記念として碑が建てられた。碑の横には説明文があり、「この石碑は昭和七年(一九三二)二月、国道2号線の改修を記念して建てられた。改修にあたって、中堀が東西約四五〇メートルにわたって埋め立てられた。中堀のあったことがわかるように、その境界線にこの石碑が建てられた。この石碑は元々は道路の西側にあったが、昭和六十一年(一九八六)の国道2号線拡張工事のため、同所に移転された。中堀の埋め立ては大正期にも進められていた。昭和七年当時、この石碑から東側はすでに埋め立てられて商業地等に変貌しており、姫路市立女子技芸学校(現在の姫路市立琴丘高等学校)も建てられていた」とある。
 この国道2号線が姫路の発展に果たした役割は大きいが、私は、埋め立てられなかった場合の中堀を夢想する。柳か松の木陰を落とした中堀を屋形船がゆっくりと遊覧する。頭の中だけのロマンである。
 ちなみに、外堀はJRの線路あたりだったという。(森山)
【メモ】JR姫路駅から大手前通を北へ徒歩15分。