ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語53
綾部山古墳群之碑
(たつの市御津町)

2022/02/09
梅の名所、綾部山梅林の中には5〜7世紀頃の古墳群がある
 2月の声を聞くと、風はまだ冷たくても陽の光は一段と力を得て春の訪れを告げる。それに応えて真っ先に花開くのが梅である。そして「梅と言えば綾部山梅林」と言われるほど、たつの市御津町黒崎の綾部山梅林は有名だ。
 開園は毎年2月11日から3月下旬で、綾部山の西の丘陵部24ヘクタールに「一目2万本」とも言われる梅が甘い香を放つ。南側には播磨灘が見渡せることもあって「海の見える梅林」としても人気がある。近年は、ふもとの休耕田を利用して、菜の花を植栽。梅の時期と同時に一帯が黄色い絨毯で敷き詰められる。そして、もう一つこの梅林を特徴づけているのが古墳群で、梅を見ながら古墳も見ることができる。
 「綾部山古墳群之碑」は梅林の中にあり、碑の裏側には「揖保の清流の西側、瀬戸の内海を一望する要衝の地ここ綾部山一帯は、一六〇〇年昔のわれわれの先住民の力強い生活史をしのぶ五世紀古墳群の埋蔵大宝庫の地である」と記されている。5世紀から7世紀ごろの古墳であるが、中には3世紀ごろの古墳も発見されており、梅公園の中だけでも十数基が確認できる。(森山)
【メモ】山陽電鉄網干駅から、神姫バス「大浦」行きに乗り15分。「御津中学校前」で下車。