ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語(2021年4月13日号)

2021/04/13
電話局職員空襲殉職慰霊碑(神戸市中央区八幡通)
 
 128回に及んだ神戸空襲の犠牲者は8,000人以上。このうち、最大規模とされる3月17日の空襲では神戸の西半分が焼き尽くされた。
米軍の「損害評定報告書」によれば、B29が306機、焼夷弾など2,328㌧を投下した。火災目的のナパーム焼夷弾やマグネシウム焼夷弾、飛散破片で殺傷する破砕弾が含まれており、残忍な意図があったことが読み取れる。
この空襲で、神戸中央電話局葺合分局の宿直勤務の16歳から30歳の女性交換手7人が犠牲になった。戦時下で唯一ともいえる「通信を確保せよ」の軍令のもと、何があっても職務から離れないよう義務付けられていたことが悲劇を生んだ。この空襲で神戸中央電話局兵庫分局の5人の交換手も亡くなっている(柳原天神社に慰霊碑)。
ちなみに、NTT西日本神戸支店の100年誌には「12名殉職」の記載があるだけでそっけない。
 小野八幡神社境内にある慰霊碑は、もともとはこの神社の北東500㍍にあった葺合分局に設置されていたが、阪神・淡路大震災で被災したために移設された。
 (鍋島)
【メモ】神戸市中央区八幡通4。神戸市役所から2部ロック東。JR三ノ宮から南へ徒歩5分。