ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き(2021年1月19日 合併号)
『たんば黎明館(丹波市柏原町)』

2021/01/24
 前回の「柏原藩陣屋跡」の隣にモダンな洋風の建物「たんば黎明館」が建っている。これは明治18年建立の旧氷上高等小学校を保存・再生したもので、江戸時代の陣屋の建物と隣り合っているのも面白い。内部は改造されて今は飲食店や貸室として利用されているが、外観はほぼ建築当時の姿を残しているという。校舎は木造の総2階建てで、屋根は寄棟造り、玄関ポーチはイオニア風の柱頭で装飾され、クリーム色の外壁が輝いている。明治10年代の学校建築が現地で今も使われながら残っているのは全国的にも珍しいという。
 高等小学校として建てられたこの建物は以後、郡立柏原病院、柏原高等女学校、県立柏原高校、教育委員会事務所、大手会館と変遷して使用されてきている。
 すぐ近くに柏原歴史民俗博物館がある。藩主織田家に伝来する武具類、書跡、藩政日記、制札などの文書類や城下古絵図等の豊富な歴史資料が展示されている。また、6歳に詠んだと言われる「雪の朝 二の字二の字の 下駄のあと」の句で知られる江戸時代の女流俳人、田ステ女の記念館が隣に増設されて在り、田家伝来の資料を中心に、俳人、尼僧のステ女、彼女にまつわる人々を紹介している。
(嶋谷)