ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き150
智頭急行(赤穂郡上郡町ほか)

2024/05/22
 山陽本線・上郡駅と鳥取県の智頭駅を結ぶ智頭急行は30年前に第三セクターの鉄道として開業した。輸送密度の見込みがなく中断していた、この国鉄路線の建設計画は第三セクターの路線が次々と廃線に追い込まれている中で、京阪神から山陽、山陰を約2時間半で結ぶ第三セクター鉄道としてスタートを切ることができ、収益性トップを維持している。普通列車の利用度は低いがJRとの相互乗り入れで黒字を維持している。
 京都を出た特急「スーパーはくと」は山陽線を経て上郡で智頭鉄道につながり鳥取へ。上郡―智頭間の56㌔を14の駅で結ぶ。岡山から来る「スーパーいなば」も智頭線を使う。
 全線の4割以上をトンネルが占め、高架橋も多い路線だが、高性能のディーゼルカーが1両で走る普通車に乗って、途中下車をしながら巡ってみたい気を起こさせる駅名が連なる。「あわくら温泉駅」、宿場町の「平福駅」、「宮本武蔵駅」、赤松円心が築城した白旗城のある「河野原円心駅」等。鳥取県に入るが「恋山形駅」も駅名に「恋」が付く全国に4つあるうちの一つで、山間の無人駅の駅舎も周辺一帯も浮きたつようなピンク色に塗られている。
沿線には、白旗城や利神城などの山城も連なる。  
(嶋谷)