ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き141
林田大庄屋旧三木家住宅(姫路市林田町)

2023/07/26
 姫路から山崎への国道29号の途中、林田の信号で折れ入ると静かな佇まいのエリアに出逢う。林田は姫路を起点に美作を経て山陰の因幡鳥取まで至る因幡街道の起点の地。ここに来ると異空間に迷い込んだような感覚にとらわれるから不思議だ。
 林田川を渡ったすぐの敬業館の南に、江戸時代初期の建造とされる林田藩の大庄屋、三木家の旧住居がある。当初茅葺であった屋根の上部と裾に後に瓦屋根を付けた主屋を中心に、入口に長屋門、奥に土蔵(米蔵、内蔵、新蔵)が建ち並び、周囲は土塀に囲まれ、外に園地が広がる。長屋門の西端には藩主を迎え入れるための御成門があり、中門が続く。傍に池泉回遊式庭園。何度も保存修理工事を経てきているが、民家遺構としてかなり古いもので、大庄屋の建築として県下で推定できる最古の遺構であり、全国的にも極めて珍しい民家史上の重要なものといわれている。中心部の主屋に入ると土間の南側は居室部で、奥にクド、女部屋がある。境に広敷を設け、居室部の南に表台所、式台付きの玄関、表座敷の3室が配され、縁を巡って離座敷、湯殿、雪隠などがある。
 赤松氏を頼り播磨に来た三木氏は英賀城落城後、この地に来て帰農し、大庄屋を努めたという。(嶋谷)