高砂地域の人は北条街道、加西地域の人は高砂街道と言い慣わす県道43号は南の高砂市と北の加西市北条を結ぶ基幹道路である。その途中の加古川市志方町高畑辺りは秋になるとコスモス街道となる。休耕田を利用して春はレンゲが、秋にはコスモスが咲き誇る。辺りの狭い畦道にマイカーが連なって停まり、コスモスをバックに写真を撮ったり買い求めたりする人で賑わう。この時期、この街道を通る時の楽しみだが、毎年コスモス畑が出現するわけではないようだ。この時期はまた、稲田の畦道に真っ赤な彼岸花が見られるのも楽しい。
　近くの広尾地区に花の寺として知られる円照寺があり、そこには7色（黄、白、赤、ピンク、紫、オレンジ、ブルー）の約2千本の彼岸花が植えられていて、それを観に多くの人が訪れる。春はクリスマスローズ、椿、夏はアジサイ、ノウゼンカズラ、そして秋は彼岸花に萩。およそ外観にいわゆる寺の装いはなく、さほど広くない敷地に花好きの主が四季折々の花を所狭しと育て、フラワーガーデンの如し。花を通して人々に仏の道を伝えたいと住職は丹精を込めて花を育てている。
　寺の北には赤松城址の城山（271ｍ）が佇む。（嶋谷）