改憲の動きをウオッチング

(2021年12月15日号)

2021/12/15
■自民、改憲体制強化 改憲を許さない世論と運動を広げよう
  10月総選挙で改憲勢力が改憲発議に必要な3分の2を維持した結果を踏まえ、岸田内閣は改憲に向けた危険な動きを強めている。
 岸田首相は、かねてから「憲法改正を実現するため党内の体制を強化する」と発言していたが11月19日、総裁直属の「憲法改正推進本部」を「憲法改正実現本部」に名称変更した。改憲に向けた「本気度」を示す狙いだ。
 また岸田首相は、改憲4項目について「一部が国会の議論で進むなら、4項目同時にこだわるものではない」(毎日)と述べ、改憲発議を急ぐ意向を明らかにした。
 「実現本部」の本部長に古屋政調会長代理を、事務総長には新藤衆院憲法審査会筆頭理事を据えた。2人は安倍元首相の盟友と言われ、日本会議国会議員懇談会の中心メンバー。新藤氏は自民党が新設する「憲法改正・国民運動委員会」のトップも兼ねる。岸田首相の改憲への強い意欲が見えてくる。
 改憲阻止勢力の文字通りの正念場である。「9条改憲NO!全国市民アクション」と「総がかり行動実行委員会」は、署名用紙をリニューアルし、「憲法改悪を許さない全国署名」を展開する。
 「岸田改憲」を阻むために、いまこそ草の根からのたたかいが重要になっている。県下各地の「憲法を生かす会」運動の輪をひと回りも、ふた回りも大きく、強くしよう。「戦争ができる憲法」にしてはならない。
 「いい戦争は絶対にありません。戦争はすべて人殺しです。殺さなければ殺されます。そんなことは人間の一番悪いことです。二度と起こしちゃならない」(2015年、戦争法への抗議が続く国会前で・瀬戸内寂聴さん)
■「岸田政権の軍事大国化・改憲路線反対」の声を大きく
  「自衛のための必要最小限を超えて、他国に脅威を与えるような強大な軍事力を保持しない」(防衛白書)。毎年の防衛白書に書き込まれている「憲法と防衛政策の基本」である。
  米軍最新鋭ステルス戦闘機搭載が可能になる護衛艦「いずも」の空母化は、他国に脅威を与える強大な軍事力ではないのか?歴代政府は、「自衛のための最小限度」を超えるとして攻撃型空母や長距離爆撃機、大陸間弾道ミサイルの所有を禁じてきた。歴代政府の方針や「憲法と防衛政策の基本」を踏みにじるものだ。 岸田首相は陸上自衛隊の観閲式で(11月27日)「敵基地攻撃能力の保有も含めて、あらゆる選択肢を排除せず検討し、必要な防衛力を強化していく」と訓示した。敵基地攻撃能力の保有については、首相就任後、繰り返し強調している。 
 敵基地攻撃能力の保有に踏み出せば際限のない軍拡につながる。かつ、北東アジアの軍事緊張を高めることになる。18年に改定された「防衛大綱」と「中期防」は「いずも」空母化や、巡航ミサイルの導入などを盛り込んでおり、事実上の敵基地攻撃能力の保有を進めている。
 敵基地攻撃能力の保有については国家安全保障会議で検討し、改定は来年末を想定している。 
  軍事費もふくれあがっている。政府は35兆9895億円の21年度予           算案を閣議決定した(11月26日)。 「軍事費は過去最大の7738億円で、当初予算の歳出額と合わせて初めて6兆円を突破した」(東京)。迎撃ミサイルやP1哨戒機など兵器購入費が歳出を押し上げた。歴代内閣が目安とした国内総生産(GDP)比1%を超え、1・09%になる。
  大軍拡の補正予算案は認められない。(中)