改憲の動きをウオッチング

改憲の動きをウオッチング

2021/12/30
■強まる改憲策動 試される市民と野党の共闘
  10月総選挙の結果、改憲派議員は維新と国民を加えると4分の3に近づく大勢力となった。「大合唱」に見られるように大変勢いづいている。
  野党共闘は一定の成果をあげた。来夏の参院選に向けて新たな改憲の動きに待ったをかけるために、全力で立ち向かわねばならない。
【総選挙後の改憲大合唱】
・1日 岸田首相「党是である憲法改正に精力的に取り組む」
・2日 維新・松井代表「来年の参院選までに改憲案を固め、参院選と同時に国民投票を実施すべきだ」
・4日 自民・茂木幹事長「維新も含めてさまざまな政党とも議論を進めていく」
 公明・北側副代表「(憲法審査会)基本的に毎週開くのが大事だ」
・9日 日本維新と国民民主党は国会内で会談し、衆参両院の憲法審査会を毎週開くよう与党に求め、国会での改憲論議を加速させていく考えで一致
・10日 岸田首相「総選挙の結果を踏まえ、党内の態勢を強化する」
 細田議長「国民世論もかなりの方が議論を望んででいる」「前向きに進むことが必要だ」
・11日 安倍元首相「党内最大の政策集団として責任を果たしていく決意だ」(清話会「安倍派」会長就任あいさつ)
・12日 自民・茂木幹事長「主戦場は国会の場に移っていく」「憲法審査会で様々な党と具体的な議論に入ることが必要」
■新たな改憲の動きに待ったを 9条の会声明
 9条の会は、10月総選挙で改憲勢力が3分の2を超える議席を獲得した結果を受けて「総選挙後の新たな局面を迎えて」とする声明を発表した。
 新たな改憲策動に対し、9条の会をはじめとした市民の草の根運動や市民と野党の共闘が、自民党などによる改憲の企図を阻み続けてきた。この力に確信を持ち、改憲と9条破壊阻止のため、決意新たに立ち上がることを訴えている。
 声明は、岸田首相は自民党総裁選の最中から「任期中の改憲実行」「敵基地攻撃能力」の保有の検討を繰り返し表明したと指摘。まず手をつけようとしているのは「安倍・菅政権が推進した9条破壊の加速化」だと強調。 
  そして、対中国の軍事同盟強化をめざす「国家安全保障戦略」と「防衛計画の大綱」の改定を来年末までに強行し、中国を念頭においた「敵基地攻撃能力」の保有、日米共同演習の強化、辺野古新基地建設強行などを推し進めようとしていると指摘。
 同時に、岸田自民党は、「憲法9条明文の改憲にも踏み込むべく、臨時国会における憲法審査会での改憲案討議入りを狙っている」と指摘。さらに、維新の会や国民民主党が後押ししていることにも触れている。
 明文改憲、9条破壊の策動を阻止しなければならない。「来年の参院選に向けた新たな改憲の動きに待ったをかけるのも、市民と野党の共闘の力以外にはない」として、決意新たに立ちあがるよう訴えている。  (中)