改憲の動きをウオッチング

2021年4月13日号

2021/04/13
■自民が党大会 改憲原案の発議・国民投票法改定案の成立めざす
 自民党は3月21日、2年ぶりに党大会を開いた。菅首相(総裁)は改憲に関して「わが党の党是だ」とし、改憲手続きに関する国民投票法改定案に触れて「まずは第一歩として成立を目指す」と意欲を示した。
 大会は2021年度運動方針を採択した。昨年の方針は前文の後に「自衛隊の明記」など改憲を大きく位置付けていたが、今年の方針は各種政策の最後に位置付けている。
 改憲には「国民の幅広い支持が必要」とし、「衆参の憲法審査会の場で建設的かつ活発な議論を行い、憲法改正原案の国会発議を目指す」。そのため「憲法改正研修会などを積極的に展開する」としている。
■戦争法施行5年 日米の軍事一体化加速 敵基地攻撃能力保有兵器の配備急ぐ
  戦争法は3月29日で施行から5年となった。「戦争する国」づくりが一段と進んでいる。
 防衛省は、戦争法に基づき自衛隊が米艦や米軍機などを守る「武器等防護」(米軍防護)は2020年は25回だったと発表。始まった17年は2回、18年が16回、19年14回から急増し、日米軍事一体化は急速に深まっている。米軍が攻撃を受ければ、戦争法により自衛隊は武器を使用して反撃できる。
  内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)を務めた柳沢協二氏は「この5年間、アジアでは米中の対立が激化した。相互に相手をけん制する軍事的対峙は誤算による衝突を招く。衝突すれば本格的戦争に拡大しやすい。米軍を守る自衛隊も無事では済まない。戦争となれば日本が無事では済まない」(東京)と警告している。
  戦争法による任務拡大を視野に政府は、米国製兵器の爆買いなど敵基地攻撃能力保有兵器の配備を急いでいる。
 以下に東京新聞から転用させていただく。
《5年間で導入を進めてきた主な兵器と予算額》
・F35A―3018億円(25機) ステルス性能で相手国に侵入し攻撃可能な米国製戦闘機。計105機導入予定
・F35B―1052億円(8機) 短距離離陸・垂直着陸可能な米国製戦闘機で、空母上で運用。計42機導入予定。
・「いずも」型護衛艦改修―235億円 F35Bを搭載できるよう甲板や艦首を改修。空母化
・12式地対艦誘導弾―850億円 射程百数十キロから900キロに延長、スタンド・オフ・ミサイルとして活用。敵基地攻撃可能
・JSM、JASSM、LRASM―386億円 JSMは射程500キロ、JASSMとLRASMは射程900キロのスタンド・オフ・ミサイル。戦闘機に搭載予定で敵基地攻撃可能
・高速滑空弾―585億円 低空・複雑な軌道で飛行し迎撃困難なミサイル。敵基地攻撃可能
・極超音速誘導弾―148億円 低空を超音速で飛行し迎撃困難なミサイル。敵基地攻撃可能
  ※金額は5年間の予算の累計。研究・開発費なども含む         (中)