改憲の動きをウオッチング

(2024年2月14日号)

2024/02/14
進む沖縄の軍事化 沖縄・日本を再び戦場にしてはならない
 沖縄の軍事要塞化の現況を地元紙(琉球新報、沖縄タイムス)に見る。
 ◆辺野古埋め立て代執行は「地方自治を根底から覆す暴挙だ。ここまで地方の権限を無視し、民意を押しつぶす政権があっただろうか」(琉球新報社説)。
  玉城知事は「国策の名の下に、代執行という国家権力によって、選挙で沖縄県民の負託を受けた知事の処分権限を一方的に奪うことは、多くの県民の民意を踏みにじり、憲法で定められた地方自治の本旨をないがしろにするものである」と、怒りのコメントを発した。
  国が地方自治体の事務を代執行した初の事例だ。
 ◆沖縄南西諸島の軍備増強も進んでいる。沖縄タイムスによれば、3月までに、うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地に地対艦ミサイル部隊の連隊本部と中隊一つが発足する。
 ミサイル部隊が運用するのは陸自の「12式地対艦誘導弾」。ミサイルの射程を現在の200キロから約1千キロに延ばす「能力向上型」を開発しており、1年前倒して2025年度に配備する。
  また、与那国町の与那国駐屯地にも3月までに40人〜50人規模の電子戦部隊を配備する。
 電子部隊は、電波情報の収集や通信防護を担い、ミサイル部隊などと「不可分一体」のもの。
 ◆政府は安全保障上、必要性が高い空港や港湾など民間インフラ施設を「特定利用空港・港湾(特定重要拠点)」に指定し、自衛隊や海上保安庁などのニーズに基づいて整備する事業を24年度から導入する(琉球新報)。
対象地域の候補地は全国32カ所。そのうち12カ所が沖縄県内で全国で最も多い。
 政府は、空港や港湾の強化は住民を避難させる国民保護にも役立つと強弁する。果たしてそうだろうか。沖縄には全国の米軍専用施設の約7割が集中し、そのうえ自衛隊の強化も着々と進んでいる。それに加えて民間施設まで軍事利用されようとしている。 基地機能が強化されればされるほど有事の際に攻撃目標にされる可能性は高い。
「公共施設の軍事利用は、有事になれば住民を危険にさらすどころか、避難する手段を奪う。住民の命を顧みない『特定利用』は県民挙げて全力で阻止すべきだ」(同紙社説)。
沖縄を、日本を再び戦場にしてはならない。
 ◆改良工事が必要な大浦湾の軟弱地盤を巡っては、米軍が1960年代、大浦湾に飛行場建設を検討した際のマスタープラン(基本計画)で存在が指摘されていた。防衛省も2007年段階で存在を把握していたが、追加の調査などは行わないまま、軟弱地盤をひた隠しにして埋め立て申請に踏み切った。通常の公共工事で、こうした不誠実な手続きがまかり通るのか(琉球新報)。
 ◆軍備増強の行き着く先を、われわれは沖縄戦の教訓で知っている。軍備増強・戦争への道に毅然と反対の民意を示し続けなければならない。
(中)