改憲の動きをウオッチング

(2023年9月27日号)

2023/09/27
”ことごとく約束破った”汚染水の海洋放出強行 福島県内外の住民が差し止め求め提訴
 政府と東京電力は漁業者との約束をことごとく破り、8月24日、汚染水の海洋放出を強行した。福島県内外の住民151人が9月8日、国と東京電力を相手に福島地裁に提訴した。
 訴状によると「海洋放出が漁業価値の減少を招き、漁業関係者の生存権や、市民が汚染のない環境で平穏に生活する権利を侵害している」と主張。「国に対し、海洋放出の計画認可や関連施設の検査適合の取り消しを求め、東電には海洋放出禁止を求めた」(東京)。
 この日は雨の中、原告らは怒りの抗議と中止を求める声をあげた。
  一方、東電は9月11日、1回目に計画した約7800トンの海洋放出を終えたと発表。2回目の放出は9月末に予定している。
  東電は汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS=アルプス)で取り除けないトリチウムを大量の海水と混ぜ、海底トンネルを通じて沖合約1キロから放出している。
 現時点でタンクに保管している約133万トンの処理水のうち、約7割が浄化が不十分で、トリチウム以外の放射性物質も国の排水基準を上回っている。海上放出するには再浄化が必要だ。
福島第一原発1〜3号機内には原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)があり、原子炉に注水してデブリを冷却する作業が続いている。デブリに触れた水は、高濃度の放射性物質を含む汚染水となり、雨水や地下水と混ざって量が増え、2022年度で1日約90トン発生しており、デブリへの注水と建屋内への水の流入を止めない限り、汚染水は発生し続ける。しかし、デブリの取り出しも建屋の止水も実現できる具体策はなく、放出完了は見通せない状態である(東京)。
辺野古訴訟 最高裁不当判決 怒りの声・行動
 辺野古新基地建設を巡り沖縄防衛局が申請した軟弱地盤改良工事の設計変更について、県の不承認に対し国土交通相が県に承認するよう「是正の指示」を出したことの違法性を争った裁判で最高裁は9月4日、県側の上告を棄却する不当判決を言い渡した。
 「琉球新報」からこの不当判決をめぐる怒りの声や行動を拾う。
 弁護団―判決が公有水面埋立法の要件適合性に触れていないことから、「(要件適合性を)はっきりさせようと住民側は今後も(訴訟を)続けることになる」(9月11日)。
  沖縄2紙社説―基地集中は変わらず、さらに新基地建設が強引に進められている。司法はこの不条理を直視すべきだ(琉球新報)。判決は、反対する地元の民意を切り捨て、地方自治の視点を著しく欠く(沖縄タイムス)。
  大衆行動―那覇市内でも。軟弱地帯が見つかった海域(大浦湾)では海上抗議行動が。辺野古のキャンプシュワブ沖の新基地建設現場では、埋め立て用の土砂を搬入するトラックの前に座り込み、抗議……等々、不当判決に対する抗議と「玉城知事、がんばれ」の声が各地に響きわたった。
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