改憲の動きをウオッチング

(2023年8月30日号)

2023/08/30
■麻生氏の暴言 「戦争させない覚悟」を新たに
 自民党の麻生副総裁は、訪問先の台湾で「中国が軍事的圧力を強める台湾海峡の平和と安定を維持するため、日本や米国、台湾による抑止力を機能させるには各国の『戦う覚悟』が必要だ」(毎日)と強調した。政府内部を含め調整した発言だという。となると、岸田首相とタッグの確信犯である。
 麻生暴言に対する沖縄の反応は、「日本に求められるのは、自衛隊の『南西シフト』で増強した抑止力を掲げ、『戦う覚悟』を中国に見せつけることではない。緊張緩和に向けた対話を重ねることだ」と、8月10日付の琉球新報社説は主張。
真っ先に戦場になるのは沖縄だ。
■広島・長崎平和宣言 岸田首相は核禁条約参加を決断せよ
  広島出身の岸田首相は「核兵器のない世界」をと言いながら、米国の「核の傘」に依存し核抑止を肯定する矛盾した姿勢をとっている。
  松井・広島市長は、平和宣言で「核による威嚇を行う為政者がいる現実を踏まえ、世界中の指導者は核抑止論の破綻を直視すべきだ」と訴え、鈴木・長崎市長も平和宣言で、G7首脳広島ビジョンに触れ、「核兵器を持つことで自国の安全を守るという『核抑止』を前提としている」と指摘し、「今こそ、核抑止への依存からの脱却を勇気を持って決断すべきだ」と強調した。
 両市長とも核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加し、一日も早く条約に署名・批准するよう政府に強く求めた。
 被爆者は、核抑止力を肯定した「広島ビジョン」に強く憤っている。
 総理が自慢する「聞く力」があるなら被爆者の憤りに応えよ。それともいつものように、馬耳東風・「聞き流す力」を発揮するのか。「核兵器のない世界」を言うなら、真っ正面から向きあえ。
■内閣支持率、「危険水域」に転落 時事通信世論調査
  時事通信の8月世論調査で、岸田内閣の支持率は前月比4・2ポイント減の26・6%だった。政権維持の「危険水域」とされる2割台に転落。
 不支持率は8・1ポイント増の47・4%で、政権発足以来の最高を記録。3割前後だった自民党支持率も前月比2・5ポイント減の21・1%で、内閣発足以降最低。
 なお、7月末に実施された毎日新聞の世論調査でも、内閣の支持率は28%で、「危険水域」に落ちこんでいる。
 通常国会でところてん方式で成立させた悪法の数々、マイナンバーカードの強要と破綻など、岸田・自公政権の行き詰りの表れだ。
■市民と立憲野党の共闘の力で、「憲法9条と13条の政治の実現を」 市民連合
 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)は、立憲野党と市民の共闘の「政策ビジョンの中心に据えるべきは9条と13条の政治の実現だ」として、立憲野党に候補者の調整を大きく前進させることを強く要望する申し入れを行った。
 野党共闘を前進させよう。
(中)