改憲の動きをウオッチング

(2023年6月28日号)

2023/06/28
■異様な国会風景 悪法がところてん方式で次々成立 まるで令和の大政翼賛会?
  岸田政権の国会を軽視し、コケにしたような強引な手法と、それを自民、公明、維新、国民民主が支えている風景は異様としか言いようがない。
 維新や国民民主が、金魚のフンのように自民党にくっつき成立させた国民の暮らしと権利、平和を破壊する悪法は、①原発の60年運転法、②健康保険証を廃止するマイナンバー法改定、③武器の開発や輸出を支援する軍事産業強化法(これには立憲も賛成)、④国連が国際法違反だとする入管法の改定、⑤国際感覚と著しくずれているLGBT法制定などなど。 
 そして最終盤国会で与野党が対立した違憲立法「軍事費増額財源法案」―2027年度までの5年間で43兆円にも上る敵基地攻撃能力の保有など大軍拡のためのもの。結局、最後は数の力で成立(維新、国民民主も反対)。
 法律とは別に、「安保関連3文書」の具体化―戦争への準備も急ピッチで進んだ。
  沖縄の民意を踏みにじった地対空誘導弾パトリオットPAC3の先島(宮古、石垣、与那国)への配備強行。また、他国軍(「同志国」の軍)への武器供与などを可能にする「政府安全保障能力強化支援」(OSA)の設定や、防衛相が有事の際、自衛隊法に基づき海上保安庁を指揮下に置く手順を定めた「統制要領」の決定など、いずれも内閣の一存で決められている。
 さらに、防衛省は敵基地攻撃能力の一環として長射程ミサイルなどを開発する契約を三菱重工業と結んだ(27年度までの契約額は2003億円)。加えて「国産トマホーク」と言われている「島しょ防衛用新対艦誘導弾」の研究について川崎重工業と27年度までの期間で契約した。 
 岸田政権は、「戦争する国」づくりに向かって暴走を続け、いつか来た道に踏み込んだ。もう引き返せないだろう。これを止められるのは大衆闘争の力だ。
■立憲野党と改憲5会派が論戦 緊急事態条項巡って 衆院憲法審
  6月15日、衆院憲法審が開かれ、緊急事態(参院の緊急集会、議員任期延長)をテーマに審議した。
 改憲5党派は、緊急集会は平時の制度であるとして、緊急事態に2院制国会を維持するために任期の延長が必要と主張。
 これに対して立憲は「延長は必要なく、参議院の緊急集会が暫定的に国会の機能を果たすべき」と主張。理由として「任期延長によって国会議員を固定化し、議院内閣制の下では議員の信任によって成立している内閣も居座ることになる。議員も内閣も民主的正統性を欠くことになる」(立憲HP)と強調した。
  共産党は「選挙権の停止は国民主権の侵害」、「多数の会派だけで都合のよい論点を抜き出し、改憲案のすり合わせは認められない」(東京)と主張した。
  改憲5会派には、緊急集会が生まれた経緯や「国家権力の暴走を防ぐ民主的な仕組みである」ことを踏まえてもらいたいものである(前号本欄参照)。(中)