改憲の動きをウオッチング

(2023年1月18日号)

2023/01/18
■安保3文書 憲法の平和主義を覆す暴挙だ 「戦争する国」を拒否する 眦(まなじり)を決して2023年を闘いぬこう 
  敵基地攻撃能力の保有、原発推進―。岸田政権は昨年、国の基本政策を次々と大転換させた。
岸田政権は、国会審議も、国民への説明もなく、戦後の安全保障政策を大転換する「安保関連3文書」の閣議決定を行った。「他国から武力攻撃を受けた時に初めて防衛力を行使する」(専守防衛)という歴代政権の憲法解釈を180度転換し、敵基地攻撃能力の保有と大軍拡に踏み出した。
さらにもう一つの大転換は「原発回帰」である。「原発依存度を低減する」「新増設や建て替えはしない」としてきた政府方針を転換した。
  政府は、原発再稼働の加速、老朽原発の運転期間延長、そして新規原発建設、60年超の運転可能など新たな基本方針を決定した。
「安保関連3文書」の改定による戦争への道は断じて許されない。
憲法や国際政治の専門家らでつくる「平和構想提言会議」(共同座長・青井未帆学習院大教授ら)、は、政府の「安保関連3文書」の対案となる「戦争ではなく平和の準備を―”抑止力”で戦争は防げない―」と題する提言(以下、提言)を、12月15日発表した。その要旨を紹介しよう。
  提言は冒頭で「安全保障関連3文書改定は、日本の安全保障政策を根本的に変更し、自ら戦争をする国家に変貌する。国民投票を通じて憲法を明文的に変えなければ許されないほどの重大な変更だ。憲法の実質が勝手に上書きされようとしている」と指摘している。
改定のどこが問題かとして、「敵基地攻撃能力の保有について、政府・与党は『専守防衛の考え方の下』で進めると強弁するが、専守防衛の肝は、隣国に届く武器を持たないことで他国への脅威とならないようにすること。この大原則が根本から覆されようとしている。相手国にミサイルを撃ち込めば、当然、日本は報復攻撃を受ける」と強調。
「考え方をどう転換すべきなのか」の項では、「軍事力中心主義や『抑止力』至上主義は、極めて短絡的で危険だ。抑止力は、武力による威嚇に限りなく近い概念。安保論議の中心に据えられている状況は憂慮すべきだ。持続可能な安保のため、抑止力の限界を認識し『抑止力神話』から脱却しなければならない」と説いている。
  最後に提言は、平和のために何をなすべきか、今後の課題をあげている。
  • 朝鮮半島の平和と非核化に向けた外交交渉を再開させる
  • 元徴用工問題について、過去の被害を踏まえた解決策を探る
  • 中国への「敵視」政策を停止する
  • 日中の首脳レベル相互訪問の早期再開に合意する
  • 日中間の安全保障対話を進める
  • 「攻撃的兵器の不保持」の原則を明確化・厳格化する
  • トマホークを含め「敵基地攻撃能力」を構成し得るあらゆる兵器の購入や開発を中止する
  • 辺野古新基地建設と南西諸島への自衛隊基地建設を中止する
  • 核兵器の先制不使用を米国をはじめ核保有国に働きかける
  • 核兵器禁止条約への署名、批准。まずは同条約締約国会議にオブザーバー参加する
 安倍元首相は2015年、憲法解釈を180度変えて戦争法を強行した。それに勝るとも劣らない岸田首相の暴挙。ハト派の面影のある岸田首相の本性はタカだったのだ。
  市民と立憲野党の共闘をいっそう強め、「この歴史的な暴挙を阻止しなくてはならない」(「市民連合」声明)。 (中)