新社会兵庫ナウ

おんなの目(2022年6月8日号)

2022/06/08
 自治会の役員が輪番制で10数年ぶりに回ってきた。
 私の住む地域では、近年まで活動がさかんで、前回役員をした頃は親の介護と重なり、夫と必死で配りものや回収物に取り組んだ思い出がある。
毎月1度は早朝から新聞や雑紙のリサイクル(廃品回収)当番、その夜には会議。敬老の日には集会所に来られる皆さんの見守り立ち番、定期総会では椅子並べや後片付けなど。本部役員の方はこれに加え、毎日の子どもたちの登下校の見守り、一緒に勉強したり放課後を過ごす場所と高齢者が自由に集いお茶を飲んだりする場所の運営、時には市職員を招いての人権教育、大型団地の高齢化の状況の視察なども。全加入世帯アンケートでは、市に要求すること、自治会内で解決すること、対応できないと判断することも整理して報告がされ、地域環境の改善につなげられていた。
 それなのにコロナ禍で集まることもままならなくなってしまった影響は大きく残念に思う。
 少し話は変わるけれど、先日、自治会費を集めにご近所を回った時、困ったことがあった。お釣り用にある程度の千円札と100円玉を用意して行ったのだけれど、あっという間になくなってしまった。5千円札を出され「キャッシュレスで支払うことが多いから、ごめんね」と言われた時、ハッとした。確かに。私もその一人。お店でも、自動販売機でも現金で払うことはほとんどなく、スマホ決済もよく使うし、カード入れにはチャージ式のカードが何枚も。
 ピッと終わって便利な場合が多いが、例えばあるお店のレジでは、たくさんの作業(?)が必要だ。スマホのアプリを開いて見せ操作する、次に割引券を見せる、次に2種類のポイントカードを見せる。私だけかもしれないがこの出し入れが実に面倒くさい。けれど、かなりの割引になるし、ポイントがつくので頑張る。私の本音は、「値引きするなら最初からしといてくれたらなあ。ポイントいらないから5円でも引いといてほしいな」というもの。スマホは国から支給されているわけではないので誰もが持っているわけではないし、誰もが操作に慣れているわけでもない、というわだかまりもある。○○ペイてなんや?アプリてなんや?プリペイドてなんや?ポイントてどこについてどないして使うねん?……という人も少なくないはずだ。
 交通機関の遅延証明書が紙で発行されなくなったり、公的機関へのさまざまな届け出も電子申請が推奨されて、手書きの用紙が欲しい時は窓口に取りにいくか、パソコンでダウンロードしてくださいという場合が多いように思う。
 便利さを求めたり、自分の暮らしを自衛するのは大切なことだけれど、人と人との温かい繋がりや誰もが暮らしやすいとはどういうことなのか考え行動することも同じくらい大切な気がしてならない。それは自分の暮らしやすさにもつながるはずだ。(M・M)