新社会兵庫ナウ

水脈(2021年9月14日号)

2021/09/14
 前日、二階幹事長に総裁選出馬を伝えたばかりの菅義偉首相が、9月3日に唐突に退陣を表明するに至った。あたかも1年前の安倍退陣劇の再演を観ているような感覚にとらわれた人も多かったのではないか▼就任後の国政の補選はいずれも勝つことができず、いまも大きな影響を保持するといわれる横浜の市長選挙に負け、期待した東京オリ・パラは一向に政権浮揚の契機にもならず、窮して口にした解散も与党内から封じられ、弓折れ矢尽きて退場▼退任はごく当然のことだと受けとめるものの、安倍といい、菅といい、コロナ禍に迅速適切な行政の対応が求められるその時に無責任な政権投げ出しは許し難い▼新しい総裁、新しい内閣首班に誰が就任するのかは不明だが、いま民衆は何よりも実効あるコロナ対策を求め、安倍登場のときから続く、何か真っ当でない鬱陶しい雰囲気を吹き払ってほしいと願っている▼そこに10月、遅くとも11月には行われる総選挙だが、7月の知事選で維新県政の登場を許した兵庫県、かなりの選挙区では維新との対抗も焦点となる。現状では順風満帆とは言い難い立憲野党の共同も、自公連立政権と維新「ブロック」打破のためにいっそうの努力が求められている。