新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ 370

2021/06/08
パートの年次有給休暇をめぐって
 
 3月中旬にパートから相談があった。「退職時に年次有給休暇を取得しようとしたら、会社の計算と違っていた。就業規則に『新たに付与された日数から消化する』と定めているという。就業規則は見たことがない。会社の計算は正しいのか」という質問だった。就業規則に定めがあれば、会社のいう計算方法になるが、周知されてない就業規則は無効であり、最低でも法律どおりの計算になる。
 周知されていなかった就業規則には「本年度に付与したものから消化してゆく」と記載されていた。例えば、18年4月1日に入社し、週5日働く契約をした場合、6ヵ月を経過した同年10月1日に10日付与され、翌19年10月1日に11日付与される。この時点で1日も消化していなければ、21日が取得できる。
仮に、19年12月に5日の年休を取得すると、同年10月に付与された11日から消化される。18年に付与された10日は、19年に付与された11日を完全消化しないと取得することができない。20年10月の起算日で12日付与されるが、19年の繰越分との合計日数は18日になる。上記の定めがない場合、20年10月時点での日数は23日になる。年休の消化を促進するためではなく、取得日数を減らすことが目的だろう。
 法律上には定めがないため、就業規則に定めることで、新たに付与された日数から消化される。この場合、労働者は「○○年に付与された年休」だと、繰越分であることを明確にして取得することが必要になる。このように定めている就業規則を2〜3社で見たことがある。これから増えるかもしれない。
パートにとって年休はセーフティネットになっている。パートには病気休暇や休職の制度がない企業も多い。年度内に年休を完全消化しないのは、店舗が忙しいこともあるが、病気や家族の看病や介護のために年休を貯めている場合もある。
 この企業との交渉は続いている。過労死になるような長時間労働、労働者代表を選出してない36協定、パワハラなど、労働者に対してひどい扱いをしている。組合員の声は、着実にサンマルクホールディングスに届いている。解決までもう一歩。がんばろう。
木村文貴子(神戸ワーカーズユニオン書記長)