新社会兵庫ナウ

おんなの目(2021年6月8日号)

2021/06/08
周知不十分な「救済制度」
 
 コロナ禍で弱い立場の人たちがさらに生活が困窮する状態に追われています。コロナ禍の影響で失業者は10万人を超えています。そのうち非正規労働者が4万6千人。その多くを占めているのが女性です。女性の自死もずいぶん増えています。それでも菅政権は「自助」でがんばれと言います。先日、テレビで放映されていたのですが、20代の女性がコロナ禍を理由に解雇され、所持金が数百円。彼女に声を掛けたのはボランティアの方でした。国ではありません。
 私の妹も大手の飲食店でパートで働いています。現在、わずかな国民年金とそのパート給与で生活しています。ところが、このコロナ禍で仕事が激減し大幅に収入減。今はマンション掃除の仕事を週2回増やしています。一昨年は、結構がんばってパート時間を増やして働いたそうです。その結果、2020年度の住民税、国民健康保険料、介護保険料の金額が大幅にアップ。でも仕方がないと思って支払い、苦しい生活を送っていました。ところが仕事は減る一方で、年度末から今年にかけてはほとんど仕事がなくなり大変なことに。
 1回目の緊急事態宣言の時は、店から6割の休業補償があったのですが、2回目の時は問い合わせても「ない」という返事で、いよいよ生活が限界に。私から妹に「個人でも請求できるから。国保や介護保険料も軽減措置があるからがんばって役所に申請に行き!」と何度も言ったのですが、心身ともに疲弊していた妹はなかなか行けませんでした。やっと締め切りギリギリの3月31日に申請し認可されました。保険料等の還付金額も含めてかなりの金額が振り込まれ、妹はやっとホッとできました。
 休業補償申請については申請者数が少なく、役所の人が「みんなもっと申請してほしい」と言っていたそうです。政府はもちろん、ワイドショーやニュースで「みなさんまだ間に合うので申請しましょう!」とは呼びかけません。本当に困っている人は情報を得る、また役所に行く余裕もありません。まして怒りを声に出す元気もありません。役所は税金など請求する方は郵便などで何度も取り立てるのに。
 3回目の緊急事態宣言が発出され、妹は3月末に店から連絡があり、4月から休まされています。でも、今回も店は休業補償の手続きをしてくれなさそうなので、自分で申請すると言っています。同じパートの人から手続きの方法を教えてほしいと連絡があったそうです。飲食店は従業員のほとんどが非正規社員です。会社が休業補償の申請をしても何ひとつ損することはないのにやらないのです。手間をかけたくないからです。安い時給でこき使うだけ使い、あとは知らん顔という酷い話です。
 他人事ではないです。たとえ貧弱な制度であっても知らないと始まりません。申請しない限り制度は利用できません。誰もやってくれません。心底腹が立ちますが、これが今の日本の現状です。
 憲法25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」としっかり書かれてあります。菅政権は国民にお願いばかり。国の義務はいったい何処に?(新原三恵子)