新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ(2021年3月9日号)

2021/03/09
毎年首がさらされる会計年度任用職員
 
 但馬ユニオンに加入しているAさんは、昨年、B市に会計年度任用職員として採用された。今年に入って次年度への更新希望をしたところ、過日、非更新通知書が手渡され、更新できない理由として、①市民対応がよくない②パソコンの扱いが今ひとつの2点が告げられた。Aさんは、「自分のパソコン能力は自覚しているが仕事上の入力ミスはない。市民対応についてはこれまで上司から改善を指導されたこともない。なぜ非更新になるのか」と憤慨している。
 早速、ユニオンとして要求書を提出し団体交渉を求めたが、B市から届いた回答は、ユニオンが地方公務員法に規定されている職員団体ではないので団体交渉には応じられないというものだった。昨年4月に改定地公法が施行され、従来の臨時・嘱託職員という身分が会計年度任用職員に改められたことは知っていたが、この点も変えられたとは思ってもいなかった。
 また、開示を要求していた人事評価基準としてマニュアルが示されたが、そのマニュアルには評価基準の事前公開や上司と部下の信頼関係構築などが記載されているにもかかわらず、評価基準が本人に説明されたこともなく、この回答で初めて知ったという状況であった。
 会計年度任用職員は正規職員と同じく一般職として法制度化されたとは言え、スト禁止など労働者としての権利を制限されるとともに、人事評価として表だっていつでも首を切る(更新しない)ことができる制度となっている。結局、会計年度任用職員も、従来の臨時・嘱託職員と同様に(見方によっては後退か)、相も変わらず不安定雇用のままだと思い知った。
 Aさんは、これまでに税務課長から所得確定申告(納税相談)事務をするように言われ、間違いは自分の責任とされるし、分からなくても誰にも聞けないことなどから、専門的であり会計年度任用職員がやるべき仕事でないと考えて断ったが、課長から「確定申告事務をしないと来年度の雇用はできない」と言われた経過がある。
 こうしたことが今回の非更新通知につながっていると思われるので、厳しい状況が予想されるものの、本人に寄り添いできる限りの取り組みを考えているところである。
 島田 斉(但馬ユニオン書記長)