新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ(365)

2021/02/23
不当解雇撤回の完全勝利へ
 
姫路田中病院から不当解雇された組合員の解雇撤回を求めて提訴した裁判の期日がこれまで3回もたれた。昨年9月11日の第1回期日では、裁判官から病院側代理人に対して「解雇事由に該当する就業規則を整理して報告するよう」に要請があり、また、「姫路ユニオンが行ったビラまきの違法性」に関する質問があった。10月30日の第2回期日では、裁判官から「原告の組合員Aについて、解雇理由に該当する事実関係が争点となる」といった見解が示された上で、「被告の主張は抽象的であるので、日時・内容等を一覧にして具体的に立証するよう」にとの依頼があった。
 病院側からは全38項目の「服務規律違反一覧表」が提出され、併せて事実の立証として、就業の状態を撮影した防犯カメラの画像と同僚の陳述が裁判所に提出されたが、これらの資料はいずれも組合員Aを解雇した後で揃えた「後付け」のものである。防犯カメラの設置について、かつて病院側は団体交渉で、「医療事故防止の観点」から設置したと述べた。ところが、実際には経営側にとって気に入らない職員の行動を監視するために用いられていたことが明らかになった。また、病院経営者に近い立場の職員からの陳述などは「どうとでも」作成可能であり、証拠として信用するに足りない。
 病院側は、「Aという問題職員が再三の注意・指導にもかかわらず勤務態度を改めようとせず、病院との話し合いにも応じようとしなかったため、やむなく解雇した」といったストーリーを作り上げたいようであるが、病院からの注意・指導は双方の主張がかみ合わない、中途半端なものでしかなく、手続き的にも解雇が正当化されるような内容とはなっていない。
 労働組合の存在そのものを嫌悪し、職場から組合員を排除するために嘘の証拠をでっち上げるような経営者の不法行為を許してはならない。私たちは、法廷闘争と併せて地域ビラ配布行動を継続することで、この闘いに完全勝利したい。
細川雅弘(姫路ユニオン委員長)