新社会兵庫ナウ

若者のひろば(2021年2月23日号)

2021/02/23
緊急事態宣言下の職場
 1月に2度目の緊急事態宣言が出されました。コロナ感染者数は増加しているさなかでしたが、今さら「緊急事態宣言」が出ることはないだろうと、私も含めて職場や周りの人たちは思っていたのに、13日に「宣言」が出されるということになり、職場ではあわててその対応に追われました。
 前回の時はできる限り3割出勤体制になるよう最低限の体制にしようと努力しましたが、実際に運用してみると、仕事が回らないことや在宅勤務日数をめぐってのいざこざもあったので、今回は3割出勤体制を組むのではなく、どの職員も週1日の在宅勤務を入れるシフトを組むことになりました。その結果、おおむね5割の出勤体制となりました。前回時の体制より出勤人数は多くなり、働きやすくなったと思われましたが、前回とは職場の状況も違っていて、バタバタ感は前回時以上と感じています。
 在宅勤務については、前回の緊急事態宣言時には所属から「在宅勤務といっても休みではありません。通常の勤務と同じです。仕事上、在宅勤務になじまない職場ではありますが、こんな状況の時には仕事(業務)に関する本などを読んだりして見識を広げるように」という指示が出されていましたが、今回は具体的な指示は出ていません。何人かに聞いてみたところ、家の片付けをしたり、ネットでいろいろ検索したりと様々な回答でした。
 今回の緊急事態宣言は前の時と違い、「一度経験している」こともあり、さほど困難もなく業務も在宅勤務も回っていますが、前回は在宅勤務の導入やその内容、勤務シフトの作成、緊急連絡先の策定、コロナに感染した時やその疑いのある時の対応など、まさに「緊急事態」の対応が求められました。また、この時は所属や職場内のコロナ対策は十分ではありませんでした。アルコール消毒液はない。マスクもない、体温計の準備もできていない、飛沫防止の対策もできておらず、所属曰く、「消毒液もマスクも注文はしているがなかなか届かない」といった状況でした。
 マスクにいたっては、所属から「仕事中や休憩時も含め、会話する時はマスクを着用するように」という指示が出されましたが、マスクは「個人で準備するように」ということになりました。仕事で必要なものであれば会社(職場)が準備するものだと思って、そのことを周りの仲間に話してみましたが、「職員も多いし、個人に渡してたらきりがないで。予算もないから仕方ないんとちがう?」という答えでした。また、別の職員からは「それを正面から話しても埒あかん。どうせ『コロナに感染しないよう自己責任で対応してくれ』と言われる。みんなそこまで考えてないよ」という答えでした。釈然としませんでしたが、これ以上追求したとしても周りにその意識がないので「これまでか」と思い、そこからは追求していません。
 今後の懸念は、緊急事態宣言を受けて最低限の人数で業務を行いましたが、しかし、これはあくまで「緊急事態」を受けてのこと。これを逆手に取られて「最低人員で仕事を回すことができる」とされ、人員を減らせると思われていかないかということです。(T・I)