新社会兵庫ナウ

水脈(2021年2月9日号)

2021/02/09
 新聞に「議員の出産『事故』扱い?」との見出しがあった。20年前、自民党の橋本聖子議員が妊娠を公表し参議院に届け出た際、国会欠席理由には公務、疾病しかなく、出産は「事故」と書いてと言われた経験のことだ▼女性議員たちが超党派で要求し、欠席理由に「出産」を加える規則改正が参議院、翌年衆議院でなされたが、産休等の規定は今もない。自治体議会も同様だ。世界ジェンダーギャップ指数121位の日本の国政における現状だ▼第6位の国ニュージーランドの首相は、コロナ感染対策で世界の注目を集めるジェシンダ・アーダーン。労働党の党首だ。現在2期目の首相は、1期目就任3か月で妊娠を公表し、また、生後3か月の赤ちゃんを連れて国連総会に出席して話題になった人でもある▼仕事と家庭のどちらを取るのかとの質問に、「妊娠しているだけで、動けないわけではない。だからといって女性が仕事と家庭のすべてを一人で背負うという考えには反対だ」と答え、政権担当と子育てを続ける。支持率は上昇した▼政治の場は、社会を覆う価値観を反映するからこそあらゆる分野のジェンダー不平等をなくす活動の先頭を行き、変化を促さねばならない。動かねば始まらない。