新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ(2020年10月27日号)

2020/11/01
結成10年半。少しは強く、大きく
 2010年3月26日、豊岡市民会館で但馬ユニオン結成大会を開いてから10年半余が過ぎた。
 わずか数人でのユニオン結成は不安の方が大きく、既存の大きな労組の運動しか経験のないものばかりの集まりで、地域ユニオンの運動は未知の領域であった。
 最大の壁は、労働相談を受けてから団体交渉になった時、自分たちだけで対応する自信がないので、ひょうごユニオンから来てもらえるのか、ということだった。それができなければ結成は難しいという意見の繰り返しであった。
 しかし、準備会を作り1年が過ぎる中で、当時の準備会委員長から「結成して取り組む中で勉強していこう」という決意のようなものが述べられ結成することになった。
 今、10年半余を振り返ると、さまざまな経験を積むことができたと思える。民間会社や学校法人での雇用打切り、不当処分やパワハラ問題での団体交渉と裁判闘争。また、外国人技能実習生の未払い賃金問題など、私たちだけで対応するにはあまりにも大 きすぎる課題もあった。ひょうごユニオンの指導と援助を抜きに今日の但馬ユニオンの存在はない。

 準備会から今日まで一番重視し力を入れてきたのは以下の3点である。

①毎月の定例会の開催。今年9月で定例会は第117回となった。

②定例会の中での学習会。チューターを交代で担い、読み合わせと説明、意見交換を行う(これまで教材は『成果主義』、『コンパス21』、先月からは『月刊まなぶ』)。

 このやり方は新しい組合員が加入してきても実施しており、組合員もそれが普通だと思って自分なりに考えて準備(予習とレジュメの作成)をしてくる。

③組合員との繋がりの重視。加入してもらえば、後は本人が組合員として頑張ってもらうだけではなく、ユニオンと個々の組合員を繋いでいく行動に努力してきた。
 
 具体的には、役員会の決定事項の報告、ユニオンニュース(但馬ユニオンとひょうごユニオンの2種)の配布、さらには物販などの要請での組合員宅訪問である。

 しかし、課題も多くある。最大の課題は、役員の世代交代である。20代〜40代の組合員がいるが、一緒に学習と行動を共にする中で役員を担っていく人材を作っていきたいと思っている。
岡田一雄(但馬ユニオン副委員長)