新社会兵庫ナウ

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不正・違法行為の乱発に集団で組合加入

2024/04/10
 昨年末、某ステーキハウスで組合を結成した。その最大理由は、前社長の復帰を拒否するためである。前社長は創業者の長男だが、会社を私物化していて、不正・違法行為のオンパレード。当然、従業員に対するハラスメントは常態化。
 一例をあげると、従業員が業務中に発生した事故等を内線で報告し謝罪すると、「直接謝りに来るんが当然やろ。詫びに来い」。謝罪に行くと、「忙しい。後にしろ」。時間の都合を伺うと、「それくらい判断せんかい」。出直すと、「業務時間中に何回来てんねん。仕事せんかい」。退勤時に行くと、「業務時間外や。仕事の話すんな」。翌日、出勤時に行くと、「ミーティング中なん、見てわからんのか」と怒鳴られ、挙句の果ては、「ええ歳して謝罪の仕方も知らんのか」、「判断力が無い」、「人として終わってる」等の人格否定―そんな輩である。
 その社長が、1年前に警察に逮捕された。しかも、警察が会社から連行して行ったのだ。従業員だけでなく、取引先業者も目撃していた。
 組合は、長男によるハラスメントの原因や対策、再発防止とともに、未払い賃金等の支払いを求め、長男の逮捕容疑についても説明を求めた。しかし、逮捕の件については、プライベートだとして回答を拒否。組合は、会社から連行されたのにプライベートとはあり得ないと抗議した。
 逮捕された説明も、パワハラの謝罪や再発防止も何も示されない中で、突如、長男が副社長として出社・執務すると連絡があった。組合は猛抗議したが出社を強行。当日、組合は宣伝カーで乗り付け、組合員らは本社事務所前で待ち構えた。
 謝罪に訪れた前社長は、謝罪を口にせず、「邪魔や。どけ。中に入れろ」と組合員らと押し問答に。組合員らは「順番が違う。謝れ」と抗議したが平行線だった。その組合員らの姿は、まさに「労働者の団結」であり、彼らがこれほど強い意志を持っているのなら、多少の困難も乗り越えられると強く感じた。
塚原久雄(武庫川ユニオン書記長)