新社会兵庫ナウ

水脈(2024年3月27日号)

2024/03/27
 3月13日は24春闘の大手企業の集中回答日だったが、マスコミが一斉に報道した回答状況は、まるで選挙の開票日の報道のように自動車、鉄鋼、電機など大手企業の「満額回答」(選挙のときは当選者にバラの花だが)がこれ見よがしに続いていた。なかには労組の要求額をはるかに上回る回答もあった▼労働者の賃金が上がることを否定するものはいないと思うが、「これ、ほんとうに春闘?」との印象を拭えなかったのは私だけだろうか。そういえば24春闘を前に連合の会長が、春闘について「闘」という文字は入っているけれど労使の話し合いだと訳のわからないことを言っていたのを思い出す。政府も財界も経済の好循環のためには賃上げは必要という。そんな情勢だったのならば実際にストでも構えて闘ってみたらもっと賃金を上げることは可能ではないか、と考えようとしない労組幹部というのも不思議な存在だ▼さて、24春闘は大手の回答で終わったわけではない。中小企業でのたたかい、また欧米や近隣諸国にも大きく引き離されようとしている最低賃金の水準を全国一律の最賃制度に改めると同時に、水準を上げていく取り組みにも力を注いでいくときではないだろうか。