新社会兵庫ナウ

水脈(2024年2月28日号)

2024/02/28
 新記録樹立だ。各社の世論調査でも軒並み内閣支持率をまた大きく下げているが、毎日新聞では(17、18日に調査実施)、支持率は7ポイント減の14%で政権発足以来最低を記録。不支持率は10ポイント増の82
%で、80%超えは同社の世論調査で内閣支持率を初めて質問した1947年7月以来、初だという▼支持率を下げている最大の要因は裏金問題とそれへの対応だ。だが、首相は事件の持つ意味の重大さや国民の怒りの大きさをほんとうに分かっているのだろうかと思えるほど、その言動は緩く、軽く見える。なるほど、「説明責任」やら「任命責任」「政治責任」なる言葉はやたら多く発せられてきたが、それらの言葉は発言者の責任も具体的な内容も全く伴っておらず、意味のない言葉がただ浮遊するだけのようで、国民の心に響くものはほんのひとかけらもない▼問題の根っ子は、企業献金の禁止などかつての政治改革の不徹底とそれを悪用してきた自民党長期政権の驕りにあるのだろうが、今回を機に真の反省と政治改革へと結実させるには、首相が自民党政権そのものの崩壊に怯え、おののくほどの野党の迫力が必要だ。国民の怒りが政治不信にとどまらず、力となって野党の背中を押せるのか。