新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ413
賃上げ要求に取り組んだ2023春闘

2023/07/12
 あかし地域ユニオンでは、2023春闘の方針のひとつとして要求書を出せる会社には賃上げ要求を出していこうと取り組みを進めた。
結果、4分会の会社とその他3社に対し要求書を提出し、交渉を求めた。円城寺工業は1月18日、ラピスネット分会は1月20日、三井住友信託銀行分会は2月1日、ファイブスタータクシー分会は2月14日、関西超硬合金は2月17日、マツヤマは3月10日、山陽タクシー分会は3月29日にそれぞれ要求書を提出し、以降団体交渉を行ってきた。
 ファイブスタータクシー分会は、昨年6月に会社から賃金制度改定の提案を受け、少しでも組合員に有利になるよう求め、合意に至るまで粘り強く交渉を重ねた。ラピスネット分会は、会社の不誠実な態度を許さず、兵庫県労働委員会にあっせん申請し、1月19日に示されたあっせん案を双方が受け入れた。それは、ユニオンの主張が理解された内容で、翌日すぐに要求書を提出し、改めて交渉した。しかし、正社員と非正規の格差を改善するまでには至らず、引き続き臨時作業員の処遇改善に向けて交渉を求めていくこととなった。山陽タクシー分会では、基本給の引き上げと同時に、計算基礎額(売り上げ)の引き上げを提案してきた。これでは実質賃下げに繋がると交渉し、まだ合意とはならず引き続き交渉を求めている。成果としては関西超硬合金で久々に賃上げを勝ち取ったことである。
 このほか、明石地労協人権平和センターと連携して、昨年4月と11月、今年2月の3回、最低賃金キャンペーンを明石駅前で取り組んだ。
 2023春闘では大企業は概ね満額回答を得て、賃上げに繋がったと言われているが、中小零細企業の賃上げはどうだろうか。あかし地域ユニオンの春闘交渉では、どこの会社も経営状況は芳しくなく、交渉は厳しいものとなった。最低賃金ぎりぎりで働かされている会社も多数あり、最低賃金「1500円」を目指す運動も重要な一つの春闘なのだと感じた。
次本理(あかし地域ユニオン書記長)