新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ 407
『23年後の「恩返し」』

2023/03/08
 東京ユニオンのH支部(東京都北区)は、2023年3月末で会社が解散するとして、組合員16人全員が解雇通知を受けた。東京ユニオンは親会社・南海化学(大阪市西区)の責任を追及すべく昨年末から計4回の「緊急大阪アクション」を展開。ユニオンあしやも、関西各地のユニオンと共にこの行動に延べ17人が参加し、2000年の全農食品関西分会の闘いの際に東京ユニオンから受けた『恩』を返す絶好の機会となった。
 この機会に改めてそのときの経緯を詳しく紹介したい。
 2000年初頭、工場閉鎖に伴う人員整理、つまり首切り攻撃に抗し、多くのパート女性労働者たちが結成して間もないユニオンあしやに結集、「小さな旗上げ」を行った。全農食品関西分会の誕生であった。
 会社(西宮市)相手の団交や抗議行動を展開してもなかなか進展しない時に、当時、ひょうごユニオン副委員長の小西純一郎さんの尽力で、東京ユニオンの『春闘・緊急連帯行動』に全農食品関西分会の“本社攻め”が盛り込まれることとなったのである。
 東京到着後、大手町での全国農協本部前での抗議行動や、新宿での全農本社での団交の際、玄関前で寒風下、東京ユニオンをはじめ首都圏各地のユニオンはシュプレヒコールを続けてくれたのである。林立する各地のユニオンの旗は、労働者の連帯感を無言のうちに教えるものであった。この行動に参加した全農のある組合員は、「初めて私、お金に替えられないものがあるということを知った」と述べたのが印象的だった。
 その後状況は急展開し、まさに流れを変えることになった東京行動だったが、今回の東京ユニオンの大阪行動も流れを変える取り組みだったのではと思う。
 最後に、東京ユニオン書記長のメッセージを紹介したい。「当該支部の2役も『こんなにたくさんの方が来てくださるとは思っていなかった』と。……皆さんと一緒にしたシュプレヒコールで心が熱くなりました」。
 23年後の『恩返し』となったのでは。
大野克美(ユニオンあしや副委員長)