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被爆77年
改めて核兵器廃絶の決意
神戸で「原爆と人間」写真展

2022/08/24
被爆体験を聴いた高校生がそれを絵にしたものが今年初めて展示され注目をひいた=8月4日、デュオ神戸・ギャラリー
 ヒロシマ、ナガサキの被爆から77年。核兵器をめぐる時流は、ロシアのウクライナ侵攻とプーチン大統領の核兵器使用の恫喝などにより、明らかに変わった。核抑止論が勢いを増し、日本でも被爆の事実を忘れたかのように「核共有論」まで持ち出されてきた。核戦争の脅威が広がるが、「核兵器をなくすことが、地球と人類の未来を守るための唯一の現実的な道」(長崎平和宣言)なのだ。
 核兵器禁止条約第1回締約国会議やNPT再検討会議の動きもある。
 改めて核兵器廃絶への決意が問われるなか、今年も「原爆と人間」写真展が8月4日から9日までの期間、デュオ神戸で開かれた。
 今年は、これまでの写真パネルではなく絵が中心の展示。広島市立基町高校の生徒が、被爆体験証言者から詳細に聴いた被爆体験を約1年かけて絵で表現したものだ。凄惨な被爆の光景が、写真とは異なる迫力で迫ってくる。主催者の神戸市原爆被害者の会の立川重則会長も「今回、初めて高校生の絵を展示したが、絵には写真とはまた違う訴える力がある。若い世代にもっと見てもらいたいし、原爆の現実を知ってほしい」と語る。
期間中、子ども連れの若い母親が展示を見ていく姿も少なくなかった。
 今年の来場者数は587人、32人から感想文が寄せられた。