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日本の低賃金・格差はなぜ?
第25回働く女性の交流集会

2022/06/08
記念講演のほかに職場で団結強化のために苦労している各労働組合の取り組みの報告も行われた=5月15日、神戸市中央区
 第25回働く女性の交流集会が5月15日、神戸市内で開かれた。
 集会では自治労、自治労臨職評、社保労連、姫路ユニオンの仲間から職場報告があった。コロナ禍のなかで労働組合として集まったり、交流することが難しくなっている中でZoomなどを駆使して、職場の声をつき合せ、写真コンテストなど工夫して交流しているという報告や、団体交渉にも現場にも参加できない仲間をラインなどで支え、当局提案を押し戻したという報告もあった。
 「日本の賃金・格差の現状と課題」というテーマで、松上隆明さん(労働政策研究・研修機構)による講演も行われた。
 1997年から日本の実質賃金は下がり続けている。アメリカやイギリス、ドイツ、フランス、韓国などは1・44倍から1・2倍と増加しているのになぜなのか。4割を超えた非正規労働者の増加、女性の低賃金、賃金制度が未整備の中小企業の昇給抑制、大手企業の初任給据え置きと成果・能力主義査定による昇給抑制、民間準拠の公務員の昇給抑制、そして内部留保する企業に対して闘わない労働組合の問題などが指摘された。今春闘も物価上昇率に追いつかない賃上げ率だった。
 格差についても、企業規模間格差、男女格差、雇用形態間格差が大きいことが指摘された。コロナ禍で女性、非正規雇用に被害は集中している。集一方、労働組合が均衡・均等待遇を実態から要求して改善を勝ち取っている実例も報告された。
 集会でも、臨職評の仲間が、正規との具体的な比較をもってその違いの理由は何かと追及し改善を勝ち取ってきたと報告した。賃金も待遇も、具体的な実態に基づく要求とあきらめない取り組みが重要だと学び合えた集会になった。(小城)