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誰もが希望を持てる社会へ
山田勝治氏(大阪府立西成高校校長)が講演
いのちとくらしの映画祭&講演会

2021/12/29
「生徒をエンパワする学校」と題して、高校での実践経験を伝える山田勝治・大阪府立西成高校校長=12月5日、神戸市勤労会館
 市民デモHYOGOやコープ自然派などでつくる実行委員会の主催で「いのちとくらしの映画祭with山田勝治講演会〜誰もが希望を持てる社会へ〜」が12月5日、神戸市勤労会館で開かれた。今年で4回目となる同映画祭には約200人が参加した。
 まず、映画「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本へ」が上映された。2010年から5年間、ウルグアイの大統領だったムヒカさんは、貧困層やマイノリティの側に立った政策を推し進め、自らは国民と同レベルの生活をするなど徹底的な清貧を貫いたことから、「世界でいちばん貧しい大統領」とも呼ばれた。映画の中では、ムヒカさんの国連での環境問題を訴えた演説やインタビュー、日本での講演など随所で人類の幸せとは何かを問いかけている。
 続く講演では、大阪府立西成高校校長の山田勝治さんが「生徒をエンパワする学校」というテーマで、高校での様々な実践経験を伝えた。障がい者や日本ルーツでない生徒などが多数通う西成高校では、子どもの貧困の実態をつかむため、学校ではまず、家庭で机のない生徒や食事の取れない生徒のアンケート調査を実施。大人の貧困抜きには子どもの貧困は考えられないとし、保護者への支援がなければ子どもの貧困はなくならないことを指摘した。また、勉強以外で楽しい学校にするため、子どもの権利条約をベースに校内居場所カフェを設置するなどの改革実践も報告された。
山田さんの西成高校での実践は今年1月にNHK番組「逆転人生」で紹介されている。(中村)