トピックス

19回目の戦跡ウォーキング
JR兵庫駅南部のエリアで
神戸空襲を記録する会

2021/11/17
今も空襲の跡が残る大輪田橋の脇のところで小城智子さんから説明を受ける参加者たち=10月24日、神戸市兵庫区
 神戸空襲を記録する会の第19回戦跡ウォーキングが10月24日、JR兵庫駅南部のエリアで行われた。
 午前10時にJR兵庫駅前に集まった約60人の参加者は、同会事務局長の小城智子さんのガイドで、兵庫図書館(戦災資料室)、柳原天神社、能福寺(兵庫大仏)、薬仙寺(神戸空襲を記録する会が設置した慰霊碑)、大輪田橋を訪ね、空襲が残した傷跡などに接しながら戦争の悲惨さや平和の尊さに思いを巡らせた。
 神戸市西部は、1945年3月17日未明の大空襲で約2千人が亡くなったとされる。300機を超える米軍爆撃機B29が飛来し焼夷弾を投下したという空襲だ。
 訪問した柳原天神社の境内には、近くにあった兵庫電話局で空襲によって殉職した女子職員5人の慰霊碑が立つ。電電公社の民営化の際にこの場所に移された。この空襲で生き残ったのが多鹿照代さん(95歳。灘区在住)。自分ひとりが生き残ったことへの長年の葛藤ののち、今年6月に亡くなった同会前代表の中田政子さんのお話を80歳の時に灘区の集会で聞いたことをきっかけに自分も体験を語るべきだと決心し、空襲時の体験を語り始めた女性だ。この日は、高齢のために来られなくなった多鹿さんに代わり、吉田俊弘さん(憲法を生かす会・灘)が彼女の体験や想いを紹介した。
 ウォーキングは最後に、空襲時500人以上が亡くなり、今も空襲のために橋の土台や柱に黒く焼けた箇所が残る大輪田橋を訪ね、川の脇に出在家町協議会が建てた慰霊碑の前で追悼した。