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日本軍「慰安婦」メモリアルデー企画で
韓国映画「雪道」の上映会
「慰安婦」問題を考える会・神戸

2021/09/14
会場には「慰安婦」問題を訴えるタペストリーも展示された=8月28日、長田区文化センター
 「慰安婦」問題を考える会・神戸は8月28日、「8・14日本軍『慰安婦』メモリアルデー」イベントとして、韓国の劇映画「雪道」の上映会を長田区文化センターで開いた。
 30年前の8月14日、韓国の金学順(キム・ハクスン)さんが初めて「慰安婦」被害者として名乗り出て国の関与を認めない日本政府を告発した。キムさんは17歳で日本軍に拉致・連行され、死を覚悟で脱出に成功したが戦後2人の子どもを亡くし自殺未遂。1990年6月、日本政府は軍の関与を否定したが、その事実と異なる答弁が彼女のカミングアウトのきっかけとなり、在韓被爆者の助言も得て証言を決意したのだ。その後、8月14日は「日本軍『慰安婦』メモリアルデー」となったが、今も「慰安婦」問題は解決していない。
 「考える会・神戸」は、この問題を無かったことにしてはならない、1人でも多くの人に真実を知って欲しいと、この間、8月14日前後にイベントを催してきたが、今年は「雪道」の上映会となった。
 映画は2017年に韓国で制作されたもの。貧困家庭と資産家の少女2人がある日突然誘拐され中国東北部の慰安所へ。「生きて帰るんだ」と慰安所の中で支え合う2人。戦争末期、部隊が移動の際、慰安婦を不要物として銃殺するが2人は必死に雪の森を逃げ続ける。1人は息絶え、友を無くしたもう1人は故郷に帰りつくが朽ちていく家だけが残る。その後、一人暮らしの老婆となった彼女は、隣の部屋の荒んだ少女に「悪いのはお前ではない」と自分と重ね合わす。青春時代の過酷な日々と現在を交錯させた物語だ。
 会場内には少女像など20枚余りのタペストリーも掲示された。(加納)