トピックス

ひょうご労働安全衛生センター
リモートで総会と講演会
被災地支援者の心のケアを考える

2021/06/22
 NPO法人ひょうご労働安全衛生センター(小西達也理事長)の第16回通常総会&講演会が緊急事態宣言さなかの5月29日、リモートによって開催された。
 第1部の総会は昨年にひき続き書面表決で議案が可決され、新年度の活動をスタートさせた。
 第2部の講演会は、東京医科歯科大学大学院看護科の菅原千賀子さんによる「被災地支援者の心のケアについて考える」がテーマの記念講演。阪神・淡路大震災で、災害における被災地支援者の心のケアが注目されるようになった。災害大国のこの国では避けられない課題だ。
 講師の菅原さんは、東日本大震災の被災地で看護師として活動する中で、被災地自治体職員の置かれた状況に目を向け、震災直後、職員の多くが血圧が高くなっていたこと、その後9か月を経ても、3分の2の職員が悪化群・高値維持群だったということを明らかにした。さらに、高血圧問題から被災地自治体職員の体験に目を向け、その語りから、「仕事を通して生きる」「人とのつながりの中で生きる」「街と共に生きる」の3つが交わる世界観の中で様々な葛藤や苦悩を抱きながら生きてきたことが推察されたと結論付けた。
 被災地自治体職員への支援は、長期的なものが求められ、その体制づくりが急務である。(小林るみ子)
オンラインで開かれた総会と講演会。講師の菅原千賀子さん(左)と西山和宏事務局長=5月29日