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6月9日は明石空襲の日
明石平和資料室を訪問

2021/06/22
 1945年6月5日は神戸市内が焼夷弾で焼き尽くされた日で、6月9日は明石市で焼夷弾と爆弾の空襲で多くの人が犠牲になった日である。
 明石は1月19日の川崎航空機爆撃に始まり、大きな空襲が6度あった。6月9日には、憲兵隊が兵舎や留置場を置き、多くの防空壕が掘られ、市民や川崎航空機への学徒動員で働く中学生や女学生が避難する場所となっていた明石公園に多くの爆弾が投下された。公園内で269人、市内で644人が犠牲になったとされる。
 空襲慰霊碑が県立図書館前にある。数年前にここで空襲に遭った男性が、「防空壕を襲った爆撃で足をやられ靴が履けなくなり、今までそのためにどんなに悔しい目にあったか」と話してくれた場所だ。彼は「犠牲になった人の遺体が図書館の周りの木にかかっていた。今も時々うなされる」とも話してくれた。
 今年1月、明石市立文化博物館に平和資料室が作られた。小さな部屋だが、写真やイラストを使い、明石が受けた6度の空襲で、1,560人が犠牲になったことや、慰霊碑を紹介している。また、明石高校制作のドラマ「七夕の願い」や体験者のお話の映像も見られる。
 平和学習向けということで、神戸の兵庫図書館の神戸空襲の戦災記念資料室に比べ、分かりやすく雰囲気も明るい。ただ、当時の被災したモノや資料などはない。林神社のは空襲犠牲者も合わせた忠魂慰霊碑だが、他の忠魂碑も慰霊碑として紹介されている。(小城)
平和学習向けに明石市立文化博物館につくられた平和資料室の展示の一部