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抑えられないコロナ感染第4波
東京五輪を断念して国民の命優先を

2021/05/25
重なる休業のお知らせも痛々しい
 感染力がより強まった変異株がまん延する事態に至った新型コロナウイルスの感染拡大は、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に出された3度目の緊急事態宣言によっても抑えられず、政府は5月7日、5月11日までとしていた4都府県の緊急事態宣言の期限を5月末まで延長するとともに16日からは愛知と福岡も加えることを決め、さらに15日には北海道、岡山、広島の追加も決定した。これまで専門家の意見を軽視してきた政府の危機感の乏しさや見通しの甘さが招いた結果で、国民にはさらに重い生活上の負担がのしかかる。
 
 一方、ワクチン接種も当初の予定が大幅に遅れ、予約段階での混乱など対応の不備も目立っている。
 こうした中で浮かびあがるのは、国民の命よりも、政権の浮上・延命をこれに懸けているかのような東京五輪・パラリンピック開催を優先する菅政権の姿勢だ。開催強行への意欲と、それに反比例するかのような医療体制の逼迫度であり、後手後手に終始するコロナ感染対策である。
 この際、東京五輪開催の無謀さを認識し、もはや一刻も早く中止の決断をすることだ。国民の命と暮らしを守るという一点を何よりも最優先し、当面の政策をそのことに集中すべきだ。改めて中長期的な視野に立って医療崩壊の瀬に立つ医療体制の再建と検査体制の拡充が求められよう。十分な補償もないままに、休業、営業の自粛の連続でさらに深刻な苦境に陥っている事業主や、10万人を超えたコロナを理由とした解雇・雇い止めの現実が襲っている深刻な状態の労働者に向き合うことだ。
 野党は、政権への不安や不満を吸収できる野党共闘の力をつくることだ。