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コロナ禍が雇用・労働を直撃
ひょうごユニオンが一斉ホットライン

2021/02/23
12930に電話相談に取り組んだ武庫川ユニオン、神戸ワーカーズユニオン、あかし地域ユニオン(上から順に)
 長引くコロナ禍の雇用・労働への影響は、緊急事態宣言の再発令・延長が追い打ちをかけるようにさらに深刻なものになっている。2月9日の厚生労働省の発表でも、コロナ禍に関連する解雇・雇い止めは、見込みを含めて累計8万6551人で、直近の1週間での増加幅も拡大し、緊急事態宣言の対象地域を中心に解雇が加速していることが明らかになっている。数字に表れてこない失業も多く、失業の実態はこの数字をはるかに上回る。こうした中、ひょうごユニオン(岡崎進委員長)は1月29、30日の両日、傘下の県内8つの地域ユニオンで「コロナ緊急事態宣言 生活と雇用を守るホットラン」を一斉に開設し各地で電話相談活動に取り組んだ。
 
 ホットラインに取り組んだのは、労働組合武庫川ユニオン、ユニオンあしや、神戸ワーカーズユニオン、あかし地域ユニオン、はりまユニオン、姫路ユニオン、但馬ユニオン、丹波ユニオンの8つの地域ユニオン。
 ひょうごユニオンの集計によると今回の相談件数は18件。相談内容での分類では、賃金・休業補償問題5件、契約・不利益変更問題4件、解雇・退職勧奨問題4件、労働時間・休日問題2件(重複あり)などで、これらのいずれもがコロナの感染拡大が影響している。
 主な相談内容では、「コロナによる営業悪化で人員削減。希望退職募集と15%の賃下げ・ボーナスカットが行われた。希望退職に応じる方がいいのか」(旅行会社勤務)▽「コロナによる営業時間短縮で、非正規の労働時間が4分の3に短縮。生活できない」(アパレル販売員)▽「昨年まで週20〜30時間働いていたが、今年になり週1日(2・5時間)まで減少。どうすればいいのか」(ビル清掃)▽「コロナで売り上げが低下。月20日、1日10時間乗車しているが、客がいない。収入は日に約5〜6千円。生活できない」(タクシー運転手)▽「緊急事態宣言が発令されても会社が休業を指示しない。客がいないため、賃金が大幅に減少。雇用調整助成金の手続きを会社に言っても『休業しないので手続きはできない』と拒否された」(タクシー運転手)▽「会社から在宅勤務を指示され、週2日休んでいる。社員は有給、非正規は年休扱い。年休が減り続けるのは困る。日給なので、月5〜6万円の減収が痛い。出勤した日は仕事が溜まっており、残業になるが、結局はサービス残業」(事務職)―などがある。
 ホットラインに取り組んだ岡崎委員長は、次のように感想を語っている。
「相談件数は決して多くはなかったが、この時期、困っている人と少しでもつながれたのはよかった。新型コロナ対応休業支援金・給付金のことなど、支援制度が労使それぞれにあまりよく知られていない実情も改めてよくわかり、課題だ。非正規労働者の格差も深刻で、今後、最低賃金引上げの運動などにつなげて春闘の課題としていきたい」。