トピックス

新社会党・震災26年アピール

2021/01/24
東日本大震災から10年、阪神・淡路大震災から26年の教訓
必要なのは非軍事の災害救助隊
 
 阪神・淡路大震災から26年を迎えたが、まだ多くの課題が山積し続けている。
 借上げ復興住宅問題で、行政は入居者との契約を理由に20年での返還を迫り、神戸市や西宮市は明け渡しと損害賠償を求める訴訟を続けている。入居者には何らの非もなかったにもかかわらず、家賃滞納者と同じ扱いを行い、即提訴というのはあまりにも理不尽で、冷たい対応だ。提訴を取り下げ、あくまで話し合いでの決着をめざすべきだ。
  震災アスベストによる健康被害も深刻で、震災後に解体現場などで働いていた6人がアスベストによる悪性中皮腫で亡くなっている。そこで働いていた労働者はもちろん、周辺住民への影響も十分考えられる。アスベストによる悪性中皮腫や肺がんは曝露後、早い人で10年、30年後から急増して40年後にピークになると言われている。アスベスト関連疾患発症の時期を迎える今、住民も含めた健康被害が一層顕在化する可能性がある。今後も早期に健康被害を発見できる検診体制が自治体や国に求められる。
 まもなく東日本大震災から節目の10年を迎える中、政府は震災の教訓を顧みず、原発の再稼働に向けて突き進んでいる。
また、昨年も熊本県などを襲った豪雨など大規模自然災害が相次いだ。阪神・淡路大震災の教訓や運動をもとにつくられた「被災者生活再建支援法」は、対象者は全壊・大規模半壊のみで、半壊以下世帯の救済は盛り込まれていなかったが、相次ぐ災害を受け、昨年、支援法が改正され中規模半壊世帯にも支援金が支給されるようになった。しかし、それでも一定基準以下の小規模災害には適用されず、支給金額も含めて今後の大きな課題として残されている。
 菅政権は、イージス・アショア計画の代替策で、最新鋭イージス艦2隻を導入しようとしている。その費用は地上型の2倍以上もかかることが明らかになっており、自民党が主張する敵基地攻撃能力の保有につながるもので非常に危険なものだ。また、辺野古新基地建設では、軟弱地盤の影響で政府試算でさえ1兆円近い工事費がかかることが明らかになっており、建設は断念すべきだ。
 終息を見通せないコロナ禍の中で、いま日本がやるべきことは、戦争できる国づくりに金を注ぐことではなく、新型コロナ対策を最優先すべきだ。そして、海外にも緊急展開できる大規模・総合的な消防・救助能力を持つ、非軍事の「災害救助隊」の創設である。
 新社会党は今後も被災者の立場に立った震災復興の検証を市民とともに進め、脱原発社会の実現、くらしの再生をめざし、多くの皆さんと手を携え全力で奮闘する。
 2021年1月17日
新社会党兵庫県本部