トピックス

軍拡より「9条」による安全保障を
「総がかり行動兵庫」が兵庫憲法集会
5・3集会の呼びかけも開始

2024/12/25
「自衛隊で今、何が起きているか、何をしているか」の講演を吉田維一弁護士が行った=12月3日、神戸市長田区

 「戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会」が例年「5・3兵庫憲法集会」と並んで秋にも開催している兵庫憲法集会は、今年は「12・3兵庫憲法集会」として3日、長田区文化センターで開かれ、約100人が参加した。講演は、弁護士9条の会の吉田維一弁護士が「自衛隊で、今、何が起きているか 何をしているか」と題して行った。
 集会の冒頭、主催者を代表して羽柴修弁護士は「今日の日本の状況は『新しい戦前』どころではなく、『戦争前夜』と言ってもいいくらい戦争準備が進んでいるように思える。その意味でも自衛隊の動向に注目を」と危機感を訴えた。
 吉田さんの講演では、①自衛隊とは何か、②自衛官不足の中での自衛隊の「リクルート大作戦」の実態、③敵基地攻撃能力に象徴される米国標準化する自衛隊の増強に対して私たちはどうするのか、と3点にわたる報告と問題提起があった。
 まず、自衛隊は海外では軍隊(日本軍)として認知されており、軍隊は軍人には国防のために「賭命義務」を課すが、自衛隊でも入隊すると遺書(家族への手紙)を書かされていると指摘。しかし一方、自衛隊は憲法13条、9条によって守られているという特殊性があるとの指摘もあった。
 講演の後半では、「安保3文書」に基づく大軍拡のなかで、敵基地攻撃能力の保有や南西諸島の軍備増強など、米軍の指揮下に入って戦えるための自衛隊の米国標準化が進む実情が報告され、現実に即さずリスクを拡大するだけの膨大な無駄とそれが将来を犠牲にしていることの重さが説かれた。
 事務局から、来年5月3日は1万人規模の「5・3兵庫憲法集会」をみなとのもり公園で開催、その前段として、「憲法を活かす1 万人意見広告運動・兵庫」(5月3日の神戸新聞朝刊に掲載。個人は1口1000円、団体は5口以上の賛同金)を来年から取り組むという行動提起があった。