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津野公男さん講師に
これからの社会主義を考える
ひょうご社会主義ゼミナール2024

2024/03/16
「大衆の中へ」―。山川均の「方向転換論」にも学びながらこれからの社会主義の理論と運動を考えた=3月16日、神戸市兵庫区

 「ひょうご社会主義ゼミナール2024」が3月16日、兵庫区文化センターで開かれ、約40人が参加した(主催は同実行委員会)。今年は、「大衆の中へ―『方向転換論』とこれからの社会主義」をテーマに津野公男さん(写真:社会主義協会事務局次長)の講演に学んだ。
 津野さんは、まず1923年に発表された山川均の『方向転換論』の今日的な意味を考えながら、後半はこの間の研究・議論のなかで豊富化されてきた「新たな社会主義像」や社会主義への道についていろいろな論点から解説。そして、いま新社会党の活動のなかで強く求められている課題を積極的に、また具体的に問題提起を行った。
 『方向転換論』の趣旨は、「立ち上がったばかりの社会主義者の次の一歩は大衆と結びつくことだ。少数の『主義者』の運動であってはならない」ことだとして、今の新社会党にも通じる課題だと指摘。思想的な確信と大衆との結びつき、この課題を一体のものとして追求することが求められていると強調した。
 さらに、改めて、価値法則の支配の廃棄、生産手段の私的所有の廃止こそが社会主義の基本であることを確認し、今日の社会主義理論についてアソシエーションやプロレタリア独裁の解釈などの論点からも検討。強調されたのは、民主主義の尊重とその発展、それと一体の意識・組織の成長だ。
 その上で、新社会党の綱領の、これまでの社会主義政党とは異なる特長点―複数政党による社会主義政権、住民の自治権が確立された直接民主主義重視のコミュニティが基礎となる社会、思想・信条・信教・結社の自由も保障される社会、非武装中立など―をあげ、今日の最も切実な課題である「大衆の中へ」の具体的な実践を呼びかけた。