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安心ネット
介護職らの待遇改善で陳情
神戸市会委員会は不採択を議決

2024/02/16
【写真説明】意見陳述をする菊地真千子・安心ネット世話人=2月16日、神戸市役所

 安心と笑顔の社会保障ネットワーク(略称=安心ネット)は2月9日、「介護職等の待遇改善を求める陳情書」を神戸市会に提出し、16日には市会福祉環境委員会で菊地真千子・安心ネット世話人が口頭意見陳述を行った。しかし、質疑の末、委員会は陳情を不当にも不採択とした。
 陳情書では、コロナ感染症の課題の検証や介護職の待遇改善として介護職の賃金引上げなど3項目を求めている。口頭意見陳述で菊地世話人は、20年を超える訪問介護ヘルパーとしての経験や、要介護5の94歳の母を自宅で看取った自らの介護経験に触れながら、「介護保険事業計画には『魅力向上』とあるが、魅力がないのは低賃金が大きな理由ではないか。労働者全体と比べて7万円も安い。東京都が介護職向けに1人当たり月1.2万円の支援を始めるが、神戸でも独自の支援をしてほしい」と介護職の処遇改善を強く要請した。
 陳情について福祉局長は、処遇改善は国に上申するとしつつも、「対処は『コウベdeカイゴ』で十分、介護職の新規養成は最長5年間にわたり月1万円のキャリアアップ支援、8割ヘルパーは約1千人の雇用となり、利用者も増加している」と答弁、陳情趣旨は当たらないとの姿勢を示した。
 この答弁に赤田かつのり委員(共産党)は「介護保険への危機感がない」、香川真二委員(つなぐ)は「『コウベdeカイゴ』では不充分だ」と質疑を行ったが、自民、維新、公明、こうべ未来(民主党系)が不採択を表明し、陳情は不採択とされた。
(憲)