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震災とアスベスト
「阪神淡路30年プロジェクト」が活動開始

2024/02/09
 阪神・淡路大震災から来年で30年を迎えるにあたり、災害とアスベスト(石綿)に関する調査・研究を進め、次世代に記録と教訓を残し繋いでいく取り組みが、学者や弁護士らの呼びかけで開始される。「震災とアスベスト―阪神淡路30年プロジェクト」と名付けられた取り組みは、今後1年をかけて行われ、報告の場として、シンポジウムの開催が今年の防災の日(9月1日)と来年1月に予定されている。
 その第1回実行委員会が2月9日、神戸市中央区内で開かれ、その趣旨に賛同する労働組合や全国のNPOなどから約20人が参加した。
 ばく露から長い潜伏期間があって発症するアスベスト関連疾病については、2021〜22年の間に阪神・淡路大震災を経験した17人の被害者が新たに判明したり、阪神・淡路大震災当時の国の環境濃度測定の偏り、環境庁の過去の石綿測定方法の問題点も指摘されている。そのため、第1回実行委員会では、改めて①飛散検証②災害とボランティア③アスベストばく露④防災対策、⑤記録の5つのチームに分かれて調査研究を行っていくことが提案され、確認された。
 プロジェクトを進める自主財源として、今後、団体や個人からの賛同金も募っていく。実行委員会の事務局はひょうご労働安全衛生センターに置く。
(彩)