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結成20周年で記念講演会
永井幸寿弁護士が講演
有事法制に反対するネットワーク東播磨

2023/08/25
【写真説明】憲法への緊急事態条項の創設をめぐる議論について解説する永井幸寿弁護士=8月27日、加古川市 

 有事法制に反対するネットワーク東播磨が今年結成20周年の節目を迎えた。この会は、平和を愛し、戦争に反対する志を持つ人ならだれでも加入できる市民団体で、誕生は2003年5月22日。同年3月25日にJR加古川駅前で行ったイラク戦争反対集会、パレード行動がきっかけとなって「加古川ネット」が立ち上げられ、その後「東播磨」へと拡大した。
 その同ネットワークが8月27日、加古川市内で20周年の総会と記念講演会を開いた。記念講演会では永井幸寿弁護士から「なぜ戦争にまできてしまったのか〜憲法に緊急事態条項を創設すること、しないこと」と題した講演を受けた。
 永井さんは、いま改憲政党が目論む緊急事態条項の創設をめぐり、なぜその条項が憲法にないのかを憲法制定時の議論に遡って解説。当時の金森国務大臣が、①民主政治を徹底させ、国民の権利の擁護には非常事態に政府の一存で行う措置は極力防止する、②非常という口実で政府の自由判断を大幅に残すとどんな精緻な憲法も破壊される、③非常時に衆議院が解散中の場合は参議院の緊急集会で対処できる、④非常事態には平常時から個別法で準備しておくなどと答弁し、濫用の危険性を考え緊急事態条項は憲法に規定しなかったことを紹介した。
 しかし、今の国会は改憲をめぐって大変危険な状況にある。これまで改憲ができなかったのは、2/3勢力に統一した改憲案がなかったことが大きいが、今は統一案ができる状況になっている。マスコミも全くキャンペーンを張らないし、国民の自覚も足りない。会としても、また個々人でもSNSの活用などでキャンペーンを行おうとの訴えがあり、改憲阻止の決意を新たにした。
(藤井)