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戦争体験を次世代に引き継ぐ
神戸空襲を記録する会がシンポ開催

2023/07/30
【写真説明】シンポジウムには高校生や大学生もパネラーとして登壇した=7月30日、兵庫津ミュージアム
 
 神戸空襲を記録する会(岡村隆弘代表)は7月30日、シンポジウム「空襲・戦災体験を次の世代に引き継いでいくために」を神戸市兵庫区の兵庫津ミュージアムで開き、約80人が参加した。
 シンポジウムは、郷土研究誌『歴史と神戸』(神戸史学会発行)の「神戸空襲を記録する会と中田政子さんの歩み」特集が刊行されたことを記念して持たれたもので、「神戸空襲を記録する会のこれまでとこれから」と副題がつけられた。
 冒頭、岡村代表が同会のこれまでの活動を紹介し、空襲体験の継承など今後への課題を提起。また、シンポジウムに先立ち、同会の結成から近しい関係を続けてきた田辺眞人さん(園田学園女子大学名誉教授、兵庫津ミュージアム名誉館長)による「神戸空襲を記録する会の活動と中田政子さん」と題する講演もあり、前会長の故中田政子さんの活動も偲んだ。
 シンポジウムでは、パネラーとして神戸新聞論説委員の木村信行さん、22年の第25代高校生平和大使を務めた長冨日向さん(甲南女子高3年)、21、22年と同大使サポーターとして活動に関わった片瀬奏磨さん(神戸市外大1年)、岡村代表が登壇、戦争体験の継承について自らの活動経験などを通じて考えたことなどを語り合った。このなかで長冨さんは、「体験は当事者でないと伝えられないと思っていたが、小学校の平和授業に語る側で関わったことで、そうではなく、体験の継承は未来をつくることだと感じた」と語った。
 司会の1人を務めた中田政子さんの次女で同会世話人の馬場敦子さんも話し合いに加わり、「戦争体験の語り継ぎはある意味『命の伝言ゲーム』。内容は暗いが楽しみながら取り組んでほしい」と若い世代への希望を述べた