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神戸で第5回大逆事件サミット
全国から140人が参加

2023/05/27
【写真説明】コロナ禍で3年前の開催予定が延期されていたが、ようやく実現した大逆事件サミットin神戸=5月27日、神戸市中央区 

 第5回大逆事件サミットが5月27日、神戸市中央区の兵庫県学校厚生会館で開催された。受け入れたのは、「大逆事件を明らかにする兵庫の会」。
地元の兵庫や大阪から約100人、「幸徳秋水を顕彰する会」(高知)や「森近運平を語る会」(岡山)、「大逆事件の犠牲者を顕彰する会」(和歌山)、「明科大逆事件を語り継ぐ会」(長野)、「京都丹波岩崎革也研究会」(京都)、「堺利彦・葉山嘉樹・鶴田知也の3人の偉業を顕彰する会」(福岡)など各地の会から約40人の140人が参加した。
大逆事件サミットは、事件100年後の2011年、幸徳秋水の四万十市(高知)で始まり、堺利彦等のみやこ町(福岡)、菅野寿賀子の大阪市、大石誠之助の新宮市(和歌山)と隔年ごとに開催されてきて、第5回サミットは岡林寅松と小松丑治の2人の犠牲者を出している神戸で3年前に開催予定であったが、コロナ禍のため延期されていた。
大逆事件(1911年)は、当時の社会主義者や非戦主義者、民主主義者を弾圧するための権力による完全なフレームアップ。日清・日露両侵略戦争や、韓国併合を経てアジアでの覇権拡大、軍国主義的強国をめざす支配層にとって、社会主義者や平和主義者は許せない存在であったのだ。そしてその後、日本は「社会主義冬の時代」を迎えることになった。
第5回サミットでは、山泉進・大逆事件連絡会議事務局長(明治大元副学長)による「大逆事件の真実」、『神戸平民倶楽部と大逆事件』を著した上山慧さんによる「神戸の大逆事件の犠牲者、岡林寅松と小松丑治」の2つの講演が行われ、全国各地で大逆事件の真実を明らかにし犠牲者の名誉回復を勝ち取り顕彰する活動などを続けている方々の活動報告が行われた。また、今後もこうした活動を続け広げて行く決意を込めた『神戸宣言』が採択された。
「大逆事件について、戦争と同じ国家による犯罪だと深く立ち入っての講演は初めてだった。次は墓前祭にも行ってみたい」(灘区・Yさん)との感想も出された。
翌28日には、神戸の犠牲者、岡林寅松と小松丑治ゆかりの跡である神戸多聞教会、大倉山いのちと平和の碑、夢野橋、小松夫妻の養鶏場跡を巡るフィールドワークが行われた。
次回は岡山での開催予定。(津野)