トピックス

福島原発事故から12年のつどい「終わらないフクシマ」
脱原発はりまアクションが開催

2023/03/22
(写真説明)子どもの被ばく裁判に携わる井戸謙一弁護士(写真)の講演に学んだ=3月4日、加古川市

 脱原はりまアクションは3月4日、「終わらないフクシマ」をテーマに、「福島原発事故から12年のつどい」を県加古川総合庁舎内で開催した。
つどいでは、「子どもたちを被ばくから守るために〜子ども脱被ばく裁判・311子ども甲状腺がん裁判で学んだこと〜」と題してそれらの裁判に携わる井戸謙一弁護士の講演と福島原発事故避難者のA・Aさん(学生)からの報告が行われた。
 井戸弁護士は、「裁判では、国や東電は被ばくの危険を知らせず、被ばく量も調査せず、住民を避難させない、つまり”被ばく者縛り付け政策”をとってきたことがわかった」と報告。福島県は、事故後に県のアドバイザーに山下俊一氏(長崎大学副学長など)を着任させ、「放射能は安全だ」と講演させて回り、それによってたくさんの県民が被ばくさせられた。また、「被ばくによる健康被害はない」とも決めつけ、被ばくの不安を口にする人を『風評加害者』と攻撃して孤立させてきたとも指摘。「私たちが生きる社会がこんな社会でいいのか」と締めくくった。
避難者のA・Aさんは「原発事故から考える私たちの未来」と題して報告。「この12年間、被災の記憶にふたをしてきた。放射能の危険についてのとらえ方の違いから友だちでなくなることのつらさも体験した。急性骨髄白血病になり倒れた祖父を看病するために福島に戻ると鼻血が出て体調が悪くなった(祖父はその後死亡)。原発事故による健康被害の不安は消えない。これからの子どもたちには私と同じ思いをしてほしくない」などと訴えた。
 福島原発事故から12年。原発事故は決して「福島のこと」や「遠い東北のこと」ではない。原発回帰にばく進する岸田政権と関電を許してはならないとの思いを改めて強くするつどいとなった。
菅野逸雄(脱原発はり まアクション)