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私の主張(2023年・年頭に思う)

2023/01/19

「よく生きた」と言えるよう

I(アイ)女性会議兵庫県本部・共同代表 川辺比呂子
 
 古希も越え、今年は6ラウンド目の卯年を迎えた。この年になると大切な人を亡くすことも幾度とあり、命や人生について考えさせられることが多くなった。
 去年は、この1年余りで2度の大手術を経て元気になられた昔の職場の先輩と久しぶりにランチをした。職場のこともプライベートのこともよく話し、しんどさを分かち合ってきた先輩だ。その日も思い出について多くは語らなかったが、お互いの健闘を称えあい、私たちの墓碑銘は「よく生きた」にしようと意見が一致した。私は墓を持つ予定はないのだけれど……。
 世のほとんどの人は与えられた命をこのようにささやかに、でも一生懸命に生きていると思うが、最近の政治、社会は命をあまりにも軽んじていないか。
 コロナ禍も4年目に入るが、政府の対応にはいつも呆れては怒りが湧く。昨年末の一時期はついに死亡率が世界1位になった。初期の頃、日本は衛生状態が良いから感染率も死亡率も低いと適当なことを言って奮闘している他国をバカにしていた政治家やそれを許してきた周りの者たちは今どう思っているのだろうか。日本政府の対応は一貫して科学的な知見を無視し、パンデミックすら自分たちの権力や利権のために利用してきた。そんな者たちも自分が感染したときにはすぐにPCR検査を受け、治療を受ける。その姿の浅ましさ、図々しさに呆れ果てる。コロナ禍対応で「命か、経済か」などと人々を惑わし続けるが、なぜ(ホンモノの)専門家の最新の知見をもって対応しないのか。最近では毎日数百という命が亡くなっている現実をあまり問題にしないことが恐ろしい。命を失っているのが高齢者だからか? 命の選別が恐ろしい。
 今、私たちの目の前にある防衛費倍増問題でも命の軽さを思わされる。安全保障の基本の問題ではなく、倍にする防衛費をどこから捻出するかという財源の問題が取り沙汰された。1兆円増税にはやっと66%が反対と賛成を大きく上回ったが、敵基地攻撃能力の保有には56%が賛成しているという(「朝日新聞」12月調査)。敵基地攻撃能力って、賛成の人たちは何を考えているの? 私がTwitterでフォローしている人が「リメンバー・パールハーバー」と呟いていた。私たち日本人としては、「先制攻撃されたことを忘れないで」ではなく、華々しく先制攻撃をした後の苦しい状況を忘れてはいけないということだ。エネルギーも食糧も自給できない私たちが威勢の良いことを言って戦争に入ったらどうなるのか、私たちは学んだではないか。
 自分の最期に「よく生きた」と言えるよう、この1年も小さな声でもあげ続けるしかないか。

今こそ賃上げを闘い取る春闘を

全港湾関西地方本部神戸支部・委員長 碓氷良介

 昨年は沖縄返還から50年だったが、私が生まれたのが沖縄返還の年。そんな縁や、また私自身が全港湾関西地本の青年部担当ということもあり、全港湾が毎年、青年部の取り組みとして行っている沖縄の平和行進に昨年初めて参加した。沖縄県民の民意をまったく無視して辺野古新基地建設のための埋め立てが続くことに怒りを感じるが、南西諸島に自衛隊基地がどんどん造られ、要塞化していることにも恐れを感じる。
 そんな流れのなか、ロシアのウクライナ侵攻を悪用して、岸田政権は防衛費を大幅に増やし、増税で賄おうとしているが、先制攻撃につながるような敵基地攻撃能力を持つことは憲法に違反していると思う。憲法を変えてからしかできないはずのことではないか。
 また、連帯関西生コン支部への不当弾圧にみられるように労働組合そのものが「反社勢力」のように仕立てられ、否定されようとしている動きがある。これは労働組合・労働運動そのものへの攻撃だと受け止めており、全港湾神戸支部としても「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」の共同代表として関わり一緒に闘っていこうとしている。
 これらのことをとってみても、ほんとうに今、怖い世の中になってきていることを感じる。だから、今年の大きな運動課題のひとつは、労働組合としてもこうした政治に向き合い、政治的な課題での運動も強めることだと思う。
 もうひとつの大きな課題は、やはり賃上げだ。日本は世界の動きと違ってずっと賃上げは抑えられてきた。いま、これだけ物価がどんどん上がっても賃金は上がっていない。まさに賃上げは今年の春闘の最大の課題である。世界では物価値上げに対して賃上げのためのストライキも行われている。しかし、労働組合の組織率が17%を切る日本では社会全体として闘おうという気運がなかなか生まれてきていないが、いま必要なのはそんな世界のような労働組合の闘いだと思う。官製春闘では話にならないし、それを打ち破っていかねばならない。全港湾の今年の賃上げ要求はこれまでの2万円から1万円アップの3万円。がんばって何とか実現したい。
 当面は春闘の取り組みとあわせ、統一地方選にも取り組んでいくことになる。いまやバス関係が組織の多数を占めている全港湾神戸支部として、バスの交通政策に関する神戸市への申し入れや援助の要求など、市会議員の方々の支援は大いに必要でたいへん大事なことだと思っている。そんなことのためにも、4月の神戸市議選では、これまでと同様、灘区の小林るみ子さん、中央区のあわはら富夫さん、垂水区の高橋ひでのりさんを応援していくし、個人的にもあわはら選対の選対委員長として一緒に頑張っていきたいと思っている。

いま、党青年員会が面白い

新社会党兵庫県本部・書記次長 岡崎彩子

 昨年夏の参議院選挙でのご支援に改めてお礼を申し上げます。
 今、新社会党兵庫県本部の青年委員会がとても面白いです。この間の青年委員会での議論と交流で、「政治活動をするなら選挙に出るのが当たり前」という機運が生まれ、青年が次々と立候補を決断しています。今春の統一自治体選挙に向けてすでに活動中のさかい大起さん(神戸市議選・須磨区)と要コウタさん(芦屋市議選)。昨年の参院選での私の挑戦。今後予定される自治体議員選挙でも、青年党員の立候補が確定しています。党をつないでいきたいとがんばってきた先輩のみなさんの奮闘と青年の決断が、時代の変わり目を作り出すような、またとないチャンスがきているように感じます。
 青年委員会として、仲間を応援していきたい理由が大きく3つあります。
 1つは、当事者性です。みんな立場はさまざまですが、社会に出る頃に経済成長も、安定した雇用や社会保障も、労働者の諸権利もすでに「ない」状況しか知らないことで共通しています。話をしても、氷河期の就職の苦労や、社会に出ても数百万円単位で残る奨学金ローンや、最低賃金に満たない働き方の正社員の話がそれぞれ出てきます。辛酸を舐めたからこそ、他人の痛みが分かる。「自分が」だけではなく、なぜみんな厳しい状況なのか。分断を乗り越えて、誰もが一人の人間としてしっかり生きられる制度を勝ち取らないと社会は本当には変えられないという発想をしています。候補者の政策を見てもそれが表れていることが分かっていただけると思います。
 1つは、多様性です。メンバーは20代〜40代。学生、民間サラリーマン、福祉職場勤務、公務員、労組役員などと立場もさまざま。かつて他党に所属していた、違う思想を持っていた、職場の先輩に誘われた、たまたま党の街宣に遭遇し党員に声をかけられたなど、経歴も入党のきっかけや経緯もさまざまです。違う意見の人と対話することの大切さを学び合っています。
 1つは、この時代に仕事を投げうって選挙に挑戦すること自体が大変なことだからです。大きな組織ではないため、選挙活動を丸抱えしてくれる訳でも、その後の保障も約束もありません(そもそも、良い、悪いは別にして、お金を払って学習や活動をするような党に来てくれたこと自体が奇特な存在)。「選挙の間、連れ合いに養ってもらえばいいじゃないか」という時代でもありません。同世代として応援しない理由はないのです。
 私は参院選で全国を回る中で、訴えるべきことは訴えながらも、人と繋がることを何よりも大事にして活動する先輩方の本領を知りました。そんな活動や人がこれからも存在してほしいと強く思います。私も得たことを糧に、候補者の全員当選に向けて全力でがんばりたいと思います。