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王子公園再整備問題
市民のビジョン案を発表
市民ミーティング・パート5で

2022/12/28
神戸市の再整備基本方針案の対案として、現在の場所でのリニューアルを基本とした「市民の創る王子公園ビジョン」(案)が発表された=12月11日、動物園ホール
 王子公園の再整備をめぐり、「王子公園の未来はみんなで決める」を合言葉にこれまで4回の市民ミーティングを開いてきた「王子公園・市民ミーティング実行委員会」は12月11日、市民ミーティングのパート5として「市民の創る王子公園ビジョン発表会&シンポジウム」を動物園ホールで開き、約120人が参加した。神戸市が12月に「大学誘致ありき」の再整備基本方針案を公表したのを受け、「市民の創る王子公園ビジョン」(案)を発表・アピールし、そのビジョン(案)をベースに、各専門家等によるシンポジウムで提案内容を豊富化し、確認していく場として開かれた。
 
 集いでは、金丸正樹実行委員会事務局長が主催者あいさつをおこなったのち、まずITエンジニアの芹沢進さんが改めて神戸市の基本方針案の問題点を映像を駆使しながら指摘。無謀でみんなが困る新たなスタジアムの建設(移転)、不便で景観破壊の立体駐車場、王子公園を壊す大学建設など、市の案の問題点を挙げ、大学ゾーン設置がすべての再整備目標を壊していると厳しく批判した。
 続いて、「市民の創る王子公園ビジョン」(案)の発表とシンポジウムに移り、最初に一級建築士の橋本健治さんが「ビジョン」(案)の紹介と説明を図面などを使って行った。その内容は、公園区域の一部を切り売りさせず(大学誘致は行わず)、多額の費用もかけず、王子スタジアム、サブグラウンド、スポーツ施設等は、現在の場所でのリニューアルを基本とした上で、防災公園・緑化公園としての都市公園の本来の機能を生かそうとするものだ。
 次に絵本作家でイラストレーターの福武忍さんが世界の動物園の歴史を振り返りながら、どんな方策で飼育することが人と動物にとってよりよい道となるかを提起。
 最後に人と防災未来センターの解説ボランティアを務める三原秀夫さんが阪神・淡路大震災時を振り返りながら、王子公園の防災の役割について提起した。
 その後、参加者から活発な質問や意見が出されたのち、小林るみ子市会議員が、神戸市の再整備計画の代替案としての「市民の創る王子公園ビジョン」(案)の骨子をまとめて説明。今後の行動方針も提起されて集いは終了した。
 同実行委員会はこの集いを受け、12月19日には「市民の創る王子公園ビジョン」を記者発表し、神戸市にもこのビジョンを検討するよう申し入れた。
実行委員会では今後、このビジョンをリーフレットにして市民に広める活動を予定している。(中村)
※本紙では次号でこの「ビジョン」を具体的に紹介する予定。【編集部】