新社会兵庫ナウ

水脈(2022年11月9日号) 

2022/11/09
 蟻の一穴。頑丈な堤防も蟻がつくった小さな穴から崩れる、思わぬことから大事はいたるという譬(たとえ)。岸田政権にとって、山際問題はまさにそうだという論評が盛んである。しかし、岸田政権につくられた穴は一穴どころではない▼劣化どころか糜爛(びらん)としかいいようのない自民党政権の腐敗。旧統一教会の問題が際立つが、氷山の一角でしかない。政治資金(いってみればモラルの鑑)を所管する総務省のデタラメ。言い訳に義父母をもちだす法相のアホボンぶり。早く「売家」と書いた方がいい2代目、3代目が陳列される国会の閣僚席▼こういう「風土」の中に旧統一教会と自民党のどうしようもない癒着が起こっているのである。小選挙区制の下では、自民党の公認になりさえすれば、選挙民との厳しい信頼関係の点検強化も必要ない。選挙区は化学肥料で汚染されきった畑である▼かつてないほど国民の間に自民党や岸田政権への不信は根強くなっている。統一自治体選挙までに変わるとも思えない。だとすれば、統一自治体選挙は仲間の候補者を勝たせるにとどまらず、拡がった自民党への不信を、政治を変える力に固めていくことである。力は語り合うことから、結び合うことからしか生まれない。